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「思い出せない脳」を読んで


  澤田誠著「思い出せない脳」(発行所:講談社)を読んだ。

 「脳」とか「記憶」の類は、分からないことだらけで、ついつい買ってしまう。 でも、本書は、ちょっと読み難くて、しばらく放置してた。

 先日、書棚で本書を「発見」し、読み直してみたら、結構、面白くて、嵌ってしまった。 何だろうね、この違い。自分の頭を覗いてみたい。

私の頭も、意外に頑張ってる・・・らしい

 本書によると、起きてる時だけでなく、寝てる時にも脳は働いてるらしい。 まぁ、そうでなけりゃ、夢を見ることもないはず。 

 働き者だね、脳たちは。

 人間の記憶には、短期記憶と長期記憶があって、日々、脳に入ってくる情報は一旦、短期記憶に集まり、そこで取捨選択して、長期記憶行きと排除に分かれる。メモリーコンソリデ―ション(記憶の固定化)というそうだ。
 長期記憶も、一度納まったらそのまま保存しているのではなく、寝てる間に、新しく入ってきた記憶との関連付けや取捨選択も行われるそう。これが、「記憶が書き換えられる」というやつ。

 まぁ、寝てる間の自分は、自分に都合よく記憶を整理し、塗り替えている、ということ。だから、「思い出は美しい」のか。
ともかく、寝ることは「脳の機能回復、脳の老廃物の排出、記憶の整理、編集、定着」に役立つ。らしい。 

度忘れ

 「えぇっと・・・」とか、「あれは・・・」とか、言葉が出ないこと、文字にならないことがある。

 いや、この歳になるともっと切実で、ボケ始めたか?と不安がよぎる。 

  要らない記憶は直ぐに捨て去ってしまうが、そうでない限り、頭に入ってきた情報は、記憶としては頭のどこかに残っているらしい。

 記憶は、大脳辺縁系で重みづけされ、海馬でインデックス付けされ「記憶」として固定化する。そんな仕組みらしい。
 大事な記憶とか、頻繁に使う記憶は、思い出す都度に新たなインデックス付けされていき、次第にササっと検索できるようになるんだそうだ。

 思い出せないのは、「脳のどこかに記憶はあるけど、それを検索出来ない」ってことらしい。
情報が多過ぎて混乱してる、というわけでもないらしい。そもそも人が使っている脳内情報は、保存されている情報の100万分の1程度という説もあるそうで、多少の検索不能情報があっても困らない。らしい。

  大事な記憶は、つど都度、思い出すようにしておけばいいし、何か刺激的なインデックス付けすれば、忘れなくなる、ということか・・・今度、試してみよう。

脳も使いよう

 脳も臓器のひとつ、という記述があった。朝から晩までフルパワーで頑張り続けもっぱり脳も疲れるので、マトモに動かなくなる。
やっぱり、適度な休みは必要だ。 寝てる間にも脳は動いているけど、少なくとも、五感からの新たな情報収集はしてないので、起きてる時よりも寝てる方が稼働率も低くて、頭にも良さそうだ。

 ところで、脳に情報を伝える神経物質には、次のようなものがあるらしい。 

 神経伝達物質(例示)

   ドーパミン   →幸福感、やる気、爽快感
   セロトニン   →安定感、落ち着き
   オキシトシン  →恋愛感情、親しみ
   ノルアドレナリン→興奮、ストレス

  例えば、私の場合は、光溢れる青空の元、そよぐ風を感じると、幸福感に溢れてくるので、ドーパミンが出てるんだろうな。
だから、一日に一度は、屋外に立ち、青空を眺めるようにしてる。特に嫌な事があったら、青空を眺める。
たぶん、幸福感とか、爽快感なんて、人それぞれ。
 自分らしく、ドーパミンやセロトニンを放出する方法を見つけ出しておけば、今よりいっそう幸せになれるのかも知れない。

                              (敬称略)

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