モロッコ旅行記 3月15日
3月15日
本日の宿泊者数は八人。Aさん夫妻、Tさん、Kさん、Gさん、Tさん、Kさん、ドイツ人。
ハヤシライスをつくるも味が薄くて反省ばかり。夫妻の助力があってのことなのに、自分の力量が情けない。
けれども、夜遅くにGさんと夫妻、Tさん、Kさんとゆるく飲みながら語らう時間が楽しかった。ただ単純に。もっと美味しい料理を提供したい。
五人部屋のドミトリーにはドイツ人男性一人、日本人女性二人が寝息を立てている。穏やかで大きな寝息がスーハーと。ひとりは寝返りをうって、ひとりは毛布を首元まで持ち上げる音を立てている。わたしは奥につっかえた鼻糞をほじくっている。
辛くても、ここでは星空がやさしげに笑んでくれている。またウインクひとつ向こうへ消えていく。夜空一体が巨大な黒い鉱石で、キラキラとする結晶が散りばめられているようだ。
語らいの前に、真っ暗なテラスでTさんと話す。地震の揺れのように感じることが日に一度はあるらしい。以前に体験した興奮と疲れのなかで起きたあれを、Tさんは毎日感じながら仕事をしている。わたしなどつまらないものだ。
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