モロッコ旅行記 3月13日

3月13日

午前八時に起きて、典子さんにベルベルオムレツの作り方を教わる。
トマトの皮を剥き、賽の目に切ってタジンに敷きつめる。塩を振り、オリーブオイルをたらして蓋をして、火を入れる。トマトの水分が抜けてきたら、再度オリーブオイル、パプリカ、クミンを入れて混ぜ、最後に溶き卵を一人分に対して二個まぜ入れる(モロッコの卵は小さい)。弱火で蓋をして固まったら終了。パンを切って、バスケットにナプキンを敷いて載せる。フォークも一緒に。
お茶は、水は一杯に入れたポットが沸騰したら火を止めて、茶葉を三杯、角砂糖を六つ、シバの香草を入れる。砂糖を溶かすためにグラスへ注いでポットに戻してを五、六回くりかえして完成。
オリーブを二種、四個ずつ小鉢に容れる。卵アレルギーや、オムレツに飽きた人には、パンとジャム(ストロベリー、ママレード、イチジク)、チーズ、バターとパン、オリーブ、お茶。
朝食後、Kさんを見送りがてら典子さんとティネリールのマーケットへ買い出しに行く。
お菓子問屋で、近所の子どもたちがモノを乞いに来たとき用にチョコを買う。
肉屋で鶏肉55DH(ハタール、大きい)を買う。それを用意、袋詰めしてもらっているあいだに、隣の屋台でシバの香草と何かを2DHで買う。
青果屋さんへ行き、キャベツ、トマト、オレンジ、芋を買う。量り売りで、天秤の片方の皿に重りが乗せられる。典子さん帰国用のお土産に、
アーモンド、くるみ、オリーブを買う。それからパンを買い、バターを買って、鶏肉をもらってミニバスで帰る。
モロッコへ来てはじめての買い物、スーパーなどで買うよりも心が弾むのがわかる。
昨夜から宿泊しているAさん夫妻と喋りこむ。八か月の世界一周の途中らしい。アメリカからはじまって、初日に借りた車で追突事故にあい、宿泊予定のモーテルの近くで殺人放火事件、ボリビアで食中毒、リスボンでマラリア疑惑と、旅らしいアクシデントにみまわれ、その話を楽しそうに語る。
旦那さんは東横線、副都心線の接続工事に解体屋として一時たずさわっていたらしい。そうして一昨年には、もうすこしで失血死していたかもしれないという事故にあう。規格外の人だ。
明日からはいよいよ典子さんが日本へ帰る。不安だ。

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