見出し画像

医療デザインサミット2022で医療におけるデザイン教育の可能性について話しました

医療デザインサミット

2022年11月19日(土)に開催された医療デザインサミット2022(主催:一般社団法人 日本医療デザインセンター)に登壇した際のスライドを公開します。10月に医療デザイン大学の講義を担当したご縁でお声かけいただき今回初めて参加しました。

トークセッション:医療におけるデザイン教育の可能性

当日は、朝から医療関係者のみなさんの基調講演やプレゼンテーションが続く中、午後のトークセッションにて後述するおふたりと「医療におけるデザイン教育の可能性」をテーマに40分間トークしました。
このセッションの登壇者は私 吉橋と横山 浩二さん株式会社LFU 最高執行責任者,救急救命士)、野﨑 礼史先生(日本医療デザインセンター 理事,医療デザイン大学 学長,消化器外科医,医学博士,マスターズアスリート,Social Good Surgeon,水戸済生会総合病院外科部長)の3名です。

登壇者3名(医療デザインサミットのウェブサイトより転載)

冒頭に野崎先生から、拡張していくデザイン領域についての概論と医療デザインの目指す方向について話題提供いただき、続いて横山さんからチームビルディングやコミュニティーの重要性についてお話しいただきました。そのあと私のスライドを説明して、テーマである「医療におけるデザイン教育の可能性」についてディスカッションを進めていきました。(動画はページ下部に追記しました)

トークセッションの様子(野崎先生はリモート参加)

登壇スライド

以下がトークセッションの中で使用した私のスライドです。イベントの参加者は
医療関係の方が多いとお聞きしていたので「デザイン」をよく知らない方々にも伝わるように心がけたつもりです。議論のきっかけに提示したものでこれが正解ということではありませんし、論点のすべてを網羅した内容ではありませんのでそのつもりで眺めていただければと思います。

自己紹介

1枚目は自己紹介としてこれまで主に関わってきた専門分野を並べました。濃い緑色が現在関わっている分野で丸の大きさは仕事の割合、黄緑色は過去の仕事です。
(丸のサイズは数値を測ったわけではなくなんとなくの感覚で描いただけです)

ちなみに、社会人向けデザイン講座は「実践型デザインスクール Designship Do」、ビジネススクールは「青山ビジネススクール(ABS)」(非常勤講師)、医学部は「聖マリアンナ医科大学」(非常勤講師)です。

スライド1:自己紹介

医療分野に関連する様々なデザイン対象

2枚目のスライドでは、医療に関係する「デザイン」の様々な分野を列記しました。医療機器のデザインをはじめとしてすでにいろいろなかたちで医療とデザインは関わっていますが、まだこれからという領域もあります。

スライド2:医療分野に関連する様々なデザイン対象

医療デザインの教育カリキュラムとは?

3枚目のスライドは今回のテーマを議論するのための話題提供です。今後、医療デザインという分野で教育実践を行うとしたらどんなやり方がありそうか?そのひとつの例を書いてみました。これが正しいやり方と言うつもりはなく、議論のためのたたき台というつもりで書いています。
デザイナーと医療者が混ざって学ぶ方がいいのではないか?講義だけではなく演習も必要、いわゆる教室で学ぶだけではなくリビングラボのような地域や現場に近い場所での教育・研究などがポイントです。講師や教育を担当する人は誰がいいのか?誰が担うのか?は、人材教育を含めて今後特に議論が必要になると思います。

スライド3:医療デザインの教育カリキュラムとは?

デザイン分野から提供できる教育カリキュラム

4枚目のスライドにはすでにあるデザイン分野の教育プログラムの中から、これからの医療分野の課題解決に役立ちそうな教育内容や項目を挙げました。デザイナー向けのプレゼンテーションではないので、それぞれの項目の細かい定義や説明にはあえて立ち入らずに、全体の見取り図、概要を把握してもらえるようにお話ししました。こちらもたたき台としてこれをもとに議論していくためのものです。

スライド4:デザイン分野から提供できる教育カリキュラム

セッション全体のまとめ(グラレコ)

登壇者3名それぞれの立場からの話題提供のあと、気になった点について意見交換や議論を進め、40分のセッションを終えました。当初からこのセッションの時間内で結論のようなものを出すつもりはありませんでしたので、まとめや総括はあえてしませんでした。これをきっかけにして、当日ご参加いただいた方々の中で医療デザインについての議論が進んでいけばと思います。
以下はこのセッションをまとめていただいたグラレコ(グラフィックレコーディング)です。(許可をいただいて転載)

グラレコ:笹本玲緒奈さん(看護師・グラフィックレコーダー)

おわりに

今回のセッションで印象に残ったことは、事前の打ち合わせや話題提供で野崎先生がおっしゃっていた「知り合いの医師、医療関係者に困っていることや課題をヒアリングしていると、医療(医学)に関することはほとんど出てこない(その解決方法は知っている)。困りごとはコミュニケーションやチームワークほか医療以外の範囲の問題が圧倒的に多い。」とのお話しでした。そのような課題の解決のために(万能でないことは理解した上で)デザインに注目し期待しているともおっしゃっていました。
デザインがすべての問題解決に使えるわけではありませんが、デザイン思考や創造性、可視化、表現など「デザイン」が問題解決に資することも数多くあります。今後も連携しながら医療とデザイン、医療デザインの活動に関わっていきたいと思います。

追記(2023.1.3)

当日の動画が公開されました。
トークセッション『医療におけるデザイン教育の可能性』吉橋昭夫、横山浩二、野崎礼史|医療デザインサミット2022 Beyond Borders -11/19

追記(2023.1.29)

イベントレポートが出ました。

関連リンク

医療デザインサミット2022の振り返り

医療デザインサミットのイベント全体の内容についてはグラレコチームのおふたりがまとめてくださっているこちらのnoteをごらんください。(医療デザインサミット2022グラレコチーム:豊原亮子さん・笹本玲緒奈さん)

医療デザインサミット2022(動画)

その他リンク


サポート、はげまし、おつかれさまなどはこちらから。