見出し画像

でき太くん三澤のひとりごと その79

◇ 子どもの能力をどんどん開花させていく4つのポイント その3

前回は「環境」に大きな影響を与える私たちの意識について書いてみました。私たちの意識が、他者との比較により、ニュートラルではなくなる事例をあげてみました。

前回の意識の話を読んで、ドキッとした方も多いかもしれません。

「自分もそういう感情を抱いたことがある」

「いけないことだとはわかっていても、自分もそういう意識で子どもと接してしまったことがある」

私もかつてはそうでした。
意識に力があることも知らず、言葉にしていなければわからないと思って過ごしていました。

ただ、ここでみなさんに安心していただきたいのは、子どもに負の意識で接してしまったことは、今後の対応次第で修復することができるということです。

素直に自分の内面にある意識を見つめることができれば、必ず状況を修復し、より良い環境へと変えていくことができます。


まず自分の内面にある意識を見つめる第一歩は、どういうときに自分の意識がニュートラルではなくなるのかということをしっかり理解しておくことが大切だと思います。

ここでポイントになってくるのは、このシリーズの一番最初に紹介させていただいた、

その3
国の定めた基準や、学年枠という大雑把な基準で子どもの能力を評価してしまう意識の排除

その4
自分自身の中にある「常識」(価値観など)をしっかり吟味することもなくわが子に押し付けない

というものです。

この2つがあることによって、自分の意識がどのように変わっていくかをじっくり見つめてみましょう。

たとえば、もしわが子が小学3年生だとして、3年生の課題を消化できないとしたら、私たちはどういう意識を持つでしょうか。

私たち自身が「学校」という枠組みの中で生活してきた経験や、国が定めたことだからきっとエビデンスがあってのことだろうという理由で、その基準を満たせないことは「劣っている」という感覚を持ってしまうと思います。

それが私たちに不安や心配というマイナスの感情を与え、知らず知らずのうちにわが子を不安や心配というマイナスの意識で見るようになってしまうのです。

私はこれまで数多くのお子さんの学習をサポートし、様々なお子さんの成長のステップを見てきましたので、3年生のお子さんが3年生の課題ができないくらいでは、全く不安は感じませんが、お子さんが第一子で、その子の成長しか見ることができず、他の事例を全く知らないとなれば、学年相当のことができなかったり、成績がよくないということは、とても大きな心配ごととなるはずです。

もし「学年枠」という基準によって、マイナスの意識が出てきてしまうのであれば、私たちの中にある「学年枠」という基準を取っ払ってしまいましょう。

これは持っていてもプラスになることはあまりありません。あくまで目安くらいにしておきましょう。

子どもが10人いれば、10人とも顔の形が違うように、子どもの成長のスピードは様々です。

3年生でも4年生や、5年生の内容も理解できてしまう子もいれば、3年生でも1年生の内容からゆっくり学習していったほうがよい奥手なお子さんもいます。

この「差」があることが、子どもの優劣を決めるものではありません。

子どもの成長は様々ですから、早熟なお子さんもいれば、奥手なお子さんもいるのです。もしお子さんが奥手だからといって、本来は何ら不安を抱く必要はないのです。

奥手なお子さんも、その子の成長のスピードで、みんなが暖かくニュートラルな意識で見守っていくことができれば、必ず成人したときには自己実現できるだけの能力を備えています。

それをむずかしくしている要因のひとつが、私たちの意識がつくる「環境」であるということを、そろそろ気づいてもよいように思います。


ここまで述べてしまえば、その4については、それほど言及しなくても想像できてくると思います。

私たちの中には、これまで学校生活で経験してきたことや、自分が親から教わってきた価値観などがあり、それが現代に合うのか、そもそもそれは普遍的なものなのか、そういったことを吟味しないまま、その常識でわが子と接していることがあると思います。

それができていれば親子の間で問題は起こりませんが、できていないとなれば、それはニュートラルではない意識につながっていきます。

「〜すべき」、「こうあるべき」という「べき」がつく言葉には要注意です。

私も自分で自分の意識を見つめてびっくりしたのですが、想像以上に私たちの中には「〜すべき」、「こうあるべき」という「べきべきくん」が存在します。

これが子どもだけでなく、対人関係や、偏見、差別といったものにも影響しますので、「べきべきくん」は、少しずつしっかりと消去するなり、書き換えるなどしていきましょう。

今回のひとりごとが今後のご参考になれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?