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でき太くん三澤のひとりごと その75

◇「スタディウルフ」はじめました 

三澤です。

「スタディウルフ」って、なんのことだかこれだけではさっぱりわかりませんよね。

これは地元の中学生と今月新しく作った部活動の名称です。

どういう部活動かといいますと、勉強の苦手意識を克服すること、学習習慣を身につけること、自己肯定感を向上させることを目標としたものです。ですから、全教科よくできるような学年トップクラスの自信満々の子は残念ながら入部することはできません。

苦手な教科があったり、勉強に対して苦手意識や劣等感がある子、なかなか学習習慣が身に付かず、ついついサボってしまう子ならだれでも入部できます。

先日、この部活動に参加している生徒たちと、なかなかよい話し合いができました。

A:「でき太くんは、毎日学習できるようになったけど、漢字は毎日学習できない。漢字ってキライなんだよね」

B:「私も英語きらーい。もう単語とか覚えるの、ちょーめんどくさい」

私:「そうだね。苦手なものというのは、大人でも毎日学習するのは大変だと思うよ。大人だって、苦手なものはできるだけあと回しにしたいと思うものだよ」

A:「ふーん、大人でもそうなんだ」

私:「そうそう」

B:「じゃあさ、苦手なものはさ、得意なものと一緒に取り組んだらいいんじゃないの」

A:「ん?それはどういうこと?」

私:「つまり、にんじんが苦手な子が、大好きなハンバーグと一緒に食べるみたいな感じだね」

B:「そうそう、そういうことー」

私:「じゃあ、Aくんさ、Aくんが今好きなことってなに?」

A:「YouTubeをみることかな」

私:「YouTubeね。じゃあ、漢字を集中して30分学習できたら、40分はYouTubeをみてよいということにしてみたら」

B:「いいじゃん、それにしなよー」

A:「えー、たった40分だけー」

というように、苦手な漢字を学習したら、YouTubeをみることができるという方法をAくんは実践してみることになりました。

こういう条件付きというのは、取り立てて新しい手法ではありませんが、私が「いいな」と思っているのは、子ども自身が自分の苦手を自覚し、それを解決するための方法を部員と一緒になって主体的に考えているところです。

昔からあるような条件付きでも「やらされている」という感覚がなく、すべて自分の意思で考え、それを楽しみながら実践しようとしているところも良いと思っています。

親や先生から決められた条件付きだと、イヤイヤシブシブになりがちですし、親や先生の目を盗んでこっそりゲームをしたり、YouTubeを見てしまうものですが、部員同士で話し合って自分で決めたことですから、一緒に考えてくれた部員を裏切るようなことはなかなかできないものです。
こういうところも良いですよね。

とはいえ、私はこれだけではうまくいくとは思っていません。

もしかするとAくんは、漢字が学習できない日が出てくるかもしれません。

そのときも、別にAくんを責めるのではなく、なぜできなかったのかということを、部員同士で話し合ってみようと思っています。

「なぜ苦手とするものは、好きなことと組みあわせても取り組めないことがあるのか」

「そもそも苦手とは何なのか」

「なぜ自分には苦手があるのか」

そういうことを、どんどん深く考えていくきっかけにしようと思っています。

「スタディウルフ」という名前の由来については、また今度。


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