でき太くん三澤のひとりごと その99
◇ さらなる成長の兆し
先週はうれしいことがありました。
かれこれ2年近く教室で学習をサポートしている中学1年生が、ここにきて「グッと」成長してきたのです。
教室で学習している様子を見ていると、2年前とはまるで別人のようです。
できること、わかること、自分が成長していることを感じるのがその子もうれしいらしく、そのうれしい気持ちが私にもビンビン伝わってくるのです。この子はこれからさらに伸びるぞ、と私は思っています。
私がその子とはじめて会ったときは、その子が5年生のとき。
「くり上がり、くり下り」の計算には指を使っていて、九九も7の段、8の段の後半をまちがえる。
漢字については、小学1年生のものでも正しく読めない、書けないものが多いという状況でした。
5年生でこの状況だと、勉強に対する苦手意識、劣等感はかなり根深いものになっているケースが多いものですが、その子の場合もやはりそうでした。
そのお子さんの劣等感の強さは、私もここ数年感じたことがないほどのレベルでした。
相当根深かったです。ここでは具体的に書けませんが、学校などで相当キツいことを言われたこともあるようですし、友達からもいろいろ言われたことがあるようです。
さて、このような状況からできれば短期間で抜け出し、その子が劣等感を少しずつでも解消していくにはどうしたらよいのか。
基本は、その子のわからないところ、できていないところから、学年に関係なく学習プログラムを考えていくこと。
その子のスタートラインから学習を進めていくことが必要です。
つぎに必要なことは、子どもの「思考パターン」といいますか、「思考グセ」とでもいいますか、それを変えていくことだと私は思っています。
先週、その子と少しお話をする時間があったので「思考パターン」がどのように変わってきたのか、ちょっとその子にインタビューをしてみました。
私とでき太くんの学習をはじめたばかりのころは、ミスした問題や、わからない問題があると、
「あーー、やっぱり自分はダメだ」
「バカだからできないんだ」
「この前学習したこと、もう忘れてる。バカなんだ」
「あーー、自分はなんでこんなにできないんだろう」
「あーーー、もうめんどくせー」
というように、マイナス的で自分を責めるような思考(イメージといってもよいですね)がどんどん浮かんできていたそうです。
今はどうなのかを聞いてみると、
ミスした問題やわからない問題があっても、
「もう少し考えたらわかるかもしれない」
「最後まであきらめなかったら、正解できるかもしれない」
「たしかこれは前にもやったから、できるはず!」
「忘れても繰り返し復習していけば、きっとできるようになる!」
という思考が浮かぶことが増え、前のようなマイナス的で自分を責めるような思考は浮かびにくくなっているそうです。
こうなると、子どもの成長はすごいんです。
「無理、できない、わからない」という思考ではなく、「できるかも、自分はわかるかも」という思考で取り組めるようになると、子どもの学習の主体性がグッと向上して、学習したことがどんどん吸収され、成長していきます。
ちょっとした「思考」の違いで、子どもは劇的に変化、成長していきます。
この子も、ようやくここまできた。
あとは、学校で結果を出すだけです。
学校でこれまでよりもグッと上の結果を出すことができれば、それが成功体験になり、その子の思考パターンにはさらに変化がうまれます。
「ぼくはバカじゃない、ぼくはダメじゃない」
そうなると、子どもはさらに変化し、成長していけます。
そこからさらに成功体験を重ね、
「ぼくはすごい!」
と感じられるようになったら、その子はきっと劣等感を克服していることと思います。
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