でき太くん三澤のひとりごと その82
◇ もともとすべては無色なもの
先日、スタディウルフに参加した子どもたちに、こんな話をしてみました。
自分のコンプレックスや苦手意識を克服したとき、
「私ができたんだから、あなたもできるよ!」と、
まだコンプレックスを克服できていない人に励ましのメッセージを伝えてほしい。
「成功体験を自分だけで完結するのではなく、次につなげていってほしい」
こういう私の思いを話してみました。
中学生くらいになると、話もよくわかり、純粋に私の思いを受け止めてくれます。
こういう話をしているときの子どもたちは、とても生き生きしています。
活気があり、とても楽しそうにしています。
なぜこんなに活気があり、楽しそうにしているのか。
いままで、だれも認めてくれなかった自分。
たいしたことはできないと思っていたダメな自分。
いつも先生や親に「どうしてできないのかな」と思われていた自分。
同級生にも「勉強ができないやつ」と思われていた自分。
こんな自分でもできることがある。
自分の存在根拠を認められたように感じる。
これまでツライ経験がある自分だからこそ伝えられることがある。
そういった気持ちが子どもたちにはあるのかもしれません。
やはり人というものは、どんなに小さな子でも、自分という存在が心から受け入れられることや、自分が人の役に立てるということ、自分だからこそできることがあると、無条件に「うれしい、楽しい」と感じるものなのですね。
そしてそこから、やりがいや、生きがい、自分の使命を認識するまでに至る子もいる。
子どもたちとディスカッションしていて、最近改めて思うことは、私たちに起こる事象(つらいこと、悲しいこと、心配ごとなど)は、本当はもともと良いとか、わるいとかいった「色」はついていない無色の素材であって、そこにたいていの人はネガティヴな「色」を塗り、さらに不安や心配を倍増させてしまうということ。
でも、もともとは無色の素材だから、もし自分がそこに価値を見出し、ポジティブな「色」を塗ることができれば、その事象を自分の成長へとつなげることができる。
これは言葉で言うのは簡単だが、実際に行うのはとてもむずかしいこと。
普通は傷つくような事象も、ポジティブな色を塗っていくのだから。
でも、私はそれに少しずつ挑戦し、少しずつ変化を実感している。
この柔軟でしなやかで、これまでの常識にとらわれないような感覚を、私はこれからの子どもたちには身につけていってほしい。
幸い、私と縁のあるお子さんたちには、少しずつその感覚を伝えていけているように思う。
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