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パラグライダーで墜落。そして入院。その15 ~急に無気力に~

墜落して1ヶ月と4日頃のお話です。
前回の投稿でお話したように自分の中の覚悟もできて、完全復帰するためにハードなリハビリでもやっていくと決めました。
おかげで治療とリハビリの方はこの数日でかなり進化しています。

目に見える変化としてはピックアップ歩行器を使って安定した片足歩きが可能になってきました。それに伴い、トイレに自分で行くことにも許可がついにでました!

これはとても嬉しいことです。
今まではまともに自分で動くことができなかったので、ちょっと汚い話になりますが、小は尿道バルーンに、大はオムツにという形でした。

ちょっと詳しく話すと尿道バルーンは尿道の奥までカテーテルが入っており、自動的にバルーンに尿がたまっていく形です。基本的に自分は尿意を感じることすらありません。
一方、オムツの方は便意がきたら寝た状態のままオムツに排泄、その後ナースコールをするという形です。きれいに拭いてもらいオムツを交換してもらいます。自分の事情としてはしょうがないことではあるのですが、やっぱり他人に下の世話をしてもらうというのは、かなりストレスです。。。

今回の事故では今まで当たり前にできていたことができなりました。そうなってはじめて、重要さや、ありがたさを思い知らされました。
自分でトイレに行って用を足す。これは今まで当たり前にしていたことの典型例ですね。できなくなって初めて、自分でできることがとても幸せなことだったんだと気付かされました。

歩行器を使って移動ができるようになったことでトイレの自立許可がでました。これは自分の大きな目標だったのですごく嬉しいことです。

なんだけど、でもいざ一人でやってみるとすごく大変で、、、。
コルセットのせいでお尻に手が届かず、おしり拭き棒を使わなかちゃいけない問題があったり、トイレの室内が暑かったり、、、、。スボンを上げ下げしたり、便座に座ることすら大変と感じるのです。こんなに大変なことなのかと、疲れ果ててしまいました。

何かできることが増えていくことは喜ばしいことです。
でもその次のステップが想像よりも大変で。。。
この日は疲れて、無気力になってしまいました。

そして、、、この日からしばらくは無気力になってしまうことが増えていきました。。。

朝から元気に起きれて、朝から自主リハビリをするくらい元気なのですが、、、何かしらのことで大変な思いをして、疲れ果ててしまいます。

一旦休んで元気を取り戻そうと横になったら、そこからどんどん気分が落ちていく、、、、。一人でいる時は無気力になり、パソコンを開く気にすらなれません。。。

面会に来てくれた親など、誰かと話しているときや、療法士さんとのリハビリなど、誰かといるときは頑張れるんです。でも一人になると一気に無気力になってしまいます、、、。

挙句の果てに今の自分の現状に対してイライラしてしまうほどに。。色んなことを考えてしまい、不満、不安、イライラ、怒り、どうしようもない無力感、、、色んな感情がどっと押し寄せてきました。

今振り返って見るとわかるのですが、このときは色んなことがキャパオーバーになっていたんだと思います。

なぜ自分は墜落してしまったの?
なにか大きなミスをして墜落したの?
そうじゃなかったとしたら、なんで自分にだけこんな悪夢のようなことがおこったの?「不運」だけでは説明できない。
体は本当に戻るの?
これから俺はどうなるの?大丈夫なの?
仕事は?
将来は?

リハビリを頑張ってやる。そして体を可能な限りもとに戻す。
入院中にやるべきことはわかっていました。
でもそれは体の話なんです。

一方、心の方は不安や答えの見つからないことでいっぱい、いっぱいになっていたんだと思います。ぐちゃぐちゃになっていたんです。

そういった思いが一人になった時に頭によぎります。不安や答えの見つからないことで考えが止まらなくなり、結果的に疲れ果ててしまい、無気力になっていたみたいです。

今振り返るとわかります。
心の方もしっかりリハビリが必要だったんですよね。
体のリハビリ同様、とても時間がかかるものです。
この頃は手術も終わり、自分と向き合う余裕がちょっと出てきたことで、余計にいろんなことを考えるよになってきていました。
その結果、完全にキャパオーバーになっていたんだと思います。

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