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音楽で紐とく《にほん》

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日本にはとても優れた音楽様式があり、幾代の歳月を経て受け継がれているのですが、そうした文化が日常の生活で触れることができなくなったのは何故なのでしょうか。音楽を通してにほんの歴史…
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音楽で紐とく《にほん》

音楽で紐とく《にほん》

千葉県佐倉にある文化芸術教室「茶琴神明」では、音楽を通してにほんの歴史や文化を学ぶという試みをスタートしました。

ヴァイオリンでの米国音大留学を経て、帰国後転身、邦楽の世界に足を踏み入れた茶琴神明オーナーが数年間で培った知識や芸事をyoutube チャンネルでご紹介しています。※現在youtubeは会員のみ公開

本マガジンでは、茶琴神明オーナーの杵屋彌十代(きねややそよ)先生にご指導頂き、右も

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「長唄 勧進帳(前半)」レポート

「長唄 勧進帳(前半)」レポート

茶琴神明(ちゃごとしんめい)の店主であり、長唄の師匠でもある杵屋彌十代先生によるレクチャーライブ「音楽で紐とくにほん」シリーズ。6月の演目は、箏曲 「みだれ」、長唄「勧進帳」でした。

今回は、彌十代先生のデビュー演奏会です。十代目家元 杵屋彌十郎先生をお招きして一挺一枚の「勧進帳」で晴れ晴れしく飾りました。

国立劇場の舞台にも立つ超一流の彌十郎先生の演奏をアットホームな雰囲気で、間近で聴く「勧

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箏曲「みだれ」、そして長唄「勧進帳」

箏曲「みだれ」、そして長唄「勧進帳」

茶琴神明(ちゃごとしんめい)の店主であり、長唄の師匠でもある杵屋彌十代先生は、自らレクチャーライブを企画し、告知から当日の準備、そしてレクチャーに始まり、箏、三味線の演奏まですべてをこなしていらっしゃいます。

学校の音楽の授業でも邦楽のことはなかなか勉強する機会がない中で、このように伝統音楽の貴重なお話しを伺うことができるのは、とても有意義なことです。また、長唄のお家元である杵屋彌十郎先生をお迎

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近世筝曲の父 八橋検校

近世筝曲の父 八橋検校

音楽で紐とくにほんシリーズ。
6月のプログラムは「筝曲 みだれ」と「長唄 勧進帳(前半)」でした。

このシリーズでは、茶琴神明(ちゃごとしんめい)の店主であり、長唄の師匠でもある杵屋彌十代先生自ら音楽解説も行っています。

にほんの音楽は、雅楽に始まり、仏教の声明や、能・歌舞伎にいたるまでジャンルや流派などはさまざまで、まるで水脈のように現代まで受け継がれています。

近世箏曲の始まりは、江戸時

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音楽で紐とくにほん 長唄勧進帳(完結編)

音楽で紐とくにほん 長唄勧進帳(完結編)

7月のプログラムは「筝曲 六段の調」と「長唄 勧進帳」でした。

このシリーズでは、茶琴神明(ちゃごとしんめい)の店主であり、長唄の師匠でもある杵屋彌十代(きねややそよ)先生自ら、筝も弾き、三味線も弾き、音楽解説まで行っています。

八橋検校が江戸で出会った筑紫筝は、源平合戦で破れた平家が筑紫地方で弾いていたものだそうです。筝の音色は落ち着きをもたらし、長唄の三味線は活気をもたらす。彌十代先生は、

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