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近世筝曲の父 八橋検校

音楽で紐とくにほんシリーズ。
6月のプログラムは「筝曲 みだれ」と「長唄 勧進帳(前半)」でした。

このシリーズでは、茶琴神明(ちゃごとしんめい)の店主であり、長唄の師匠でもある杵屋彌十代先生自ら音楽解説も行っています。

にほんの音楽は、雅楽に始まり、仏教の声明や、能・歌舞伎にいたるまでジャンルや流派などはさまざまで、まるで水脈のように現代まで受け継がれています。

近世箏曲の始まりは、江戸時代前期の音楽家八橋検校。目が不自由で当道に属して芸事を行っていました。八橋検校は、摂津では三味線の名手で、その後江戸にくだり、筑紫箏に出会うのです。

八橋検校が活躍したのは1600年半ばで、西洋で活躍するJSバッハよりもひと時代前にあたります。にほんでこのような表現豊かな音楽様式を編み出したのは「まさに天才」と彌十代先生は語ります。アメリカにバイオリン留学をされていた彌十代先生は、八橋検校の曲を初めて聴いたときに、「なんて素晴らしい」と感激したのだそうです。そして、日本への帰国後に邦楽の世界に足を踏み入れることになりました。

京都の銘菓として知られる「八ツ橋」は八橋検校に由来しています。堅焼きの八橋は、よく見ると箏の形をしています。茶琴神明の演奏会ではいつもお客様に八ッ橋をお配りしています。

筝曲と長唄を続けて聴くことができるのは、とてもゴージャス。すでに次回の勧進帳(後半)も予定されています。

◼️茶琴神明(佐倉・文化芸術教室)
http://www.chagoto-shinmei.jp/

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