ᴀᴋɪsᴀᴍᴇ

・ 随想録 ・

ᴀᴋɪsᴀᴍᴇ

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﹣Tied up days﹣

↺ devil's abode 青白い光と灼熱の畳 すりガラス越しに流れる雲を見ていた 歪んだ扉にCRC 鳩の鳴き声が荒れ果てたベランダに響く へこんだ壁に貼り付けた思い出 土曜日の掃除機と日曜日の快晴 終わりのない料理 ガラクタが溢れる台所 浮かんでは消える記憶をかき混ぜた夜 重い扉で閉ざされた空間に 緩やかな曲線を描きながら広がる眠気の帯が 次第に北の部屋に集まる 押し入れに隠したひみつ道具が 作り上げられた世界を打ち壊していく Pale light and sco

    • ﹣幸せ﹣

      𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 深い闇の町 冷たい空気が 部屋に迫る 思いの中を彷徨い 眠りについた夜 泣き腫らした目で 白黒の世界を見た朝 あの日絶望の丘で 見上げた太陽は 今でも輝きを放って 蝕まれた心を包み込む 温かで優しい日々が 本当の自分へと 変えてくれたのに何故 全てを禁じて型に嵌め 絶望へと追い詰めて 見えない力で制御し 操り人形へと変えてゆく 悪夢のような日々が蘇る 人は幸せになるために 生まれたはずなのに 幸せになろうと藻掻くと 必

      • ﹣散文 ⅱ﹣

        𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 17:21 ただ寝転んで 空を見ていた 流れゆく雲が ちぎれて消えた なんでもない この時が愛しかった 夜の気配が 仄かな香りと共に この部屋にも やって来た 夢 爽やかな風吹く丘 街が遠くに見える 静かに進む飛行船 雲が割れて光が差す 小さくても確実に 歩いてきた道を 今は振り返る事もせず ひたすら歩いてゆく いつからか信じる事が 難しくなってしまった 頼りないこの心は 笑い合える未来を まだ夢見ている 物語

        • ﹣傷﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 やがて終わってしまうこの道を 希望を抱きしめて歩き続ける ﹣人の命は霧のようなもの﹣ 残像になって残る言葉が 胸を締め付けてゆく 大事な命がひとつ消えた日を 私は絶対に忘れない 自ら命を絶つなんて愚かだと 軽蔑し嫌悪するような 冷たい空気が大嫌いだった 人にとことん優しく 自分には厳しい彼女の 最初で最後の小さな弱音に 気付いてあげれなかった 本当に優しい人ばかりが 苦しみ消えてゆく世界で 今日も小さく息をする

          ﹣叫﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 涙の海に漂いながら 湧き上がってくる思いに そっと蓋をする これで何回目だろう 空から見たら みんな同じなんだから 悪人を演じるのは もうやめにしよう 生まれた時は 綺麗でまっさらで それなのに 自ら汚してしまうのは もったいないよ 何度も伝えたけど 聞く耳を持たなかった 偽善者に囲まれて 今は幸せかもしれない だけどきっと最後は 痛いほど分かる時が来る 自分が何をしてきたのか ちゃんと自覚してほしい それだけだよ 奪わ

          ﹣幻﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 真夜中に蜃気楼 回り始めた メリーゴーランド 生ぬるい風が 頬をすり抜ける 夢の中で 緑青黄色の ボタンが並ぶ 小さな赤い車を 黄色い蛸が 飲み込んだら 熊のぬいぐるみが 私の手を引いて 誰も知らない 秘密の場所に 連れてゆく 枯れたかすみ草 白い貝殻の砂浜 巨大な丸い月と 舞い踊る桜の花びら 止まった時間 まわり続ける世界 伸ばした手は 闇へと消えて ただ静寂だけが 私を包んでいた 𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄

          ﹣瞳﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 灰色の冷たい瞳と 微かに聞こえる声 自分という名の舟が 沈みかけていたあの日 肩をそっと揺さぶられて 夢から覚めたみたいに 全てが判った気がした 自分の心が コンパスのように 輝く空を示したら ただ今を 全力で駆け抜けて 開いたアルバムが 微笑みをくれるみたいに 最後は笑っていたい 海の底に沈んで 息ができない日も あるけれど 光を抱きしめて 少しずつ歩いて 闇の向こうは きっと晴れだから 全力で生きて 全力で挑戦し

          ﹣散文﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 1 . あぜ道 入道雲 蛙が鳴き出し 雨のにおいがする 田舎の余韻 2 . 夜の街明かりが 涙のひとしずくに 見えた 独りぼっちの夜 3 . 金木犀のメロディーが ゆらりと流れる部屋に 珈琲の香りが漂う 適当に描いた絵が 空へ飛んでゆく 灰色の雲が 私を見ていた 4 . 踊る熱帯魚 さかさまの時計 浮かんでゆく泡 ここではないどこかへ 旅に出たくて 支度をする 5 . 開けっ放しの 引き出しを閉めて 緑

          ﹣光﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 ひんやりした風が ふわり靡く夜に 宝石のような輝きが 胸の中で響き続ける 緑色したアイスを ひとくち頬張って 夢見る少女に なってみたり 靴下を脱ぎ捨てて 寝転んでみたり 今はただこのままで 紆余曲折を繰り返して ここまで歩いてきたけど 幸せを探し続けて諦めて 諦め切れなくて 子どもの頃 描いた 幸せそうな姿に いつかなれるのかな どこまでも続く 枯れた草原を 独り歩いてるみたいで 流れる雲と暗い空を 見上げて思う

          ﹣燎﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 秋の気配が街を覆う 鈴のような虫の音と 空の向こうを行く 鳥たちのさえずり 静かに朝が始まってゆく 心の奥深い所に 隠れている醜さが 今はただ胸を締め付けて 聴こえてくる全ての音が どこか悲しく聴こえるのは 冷たくて辛かった季節が またやって来るから あたたかな場所を探して 歩く猫のように闇を彷徨う 孤独な日々はもういらない バスの発車音 ポストを開ける音 咳き込む声 階段を駆け下りる音 全て誰かの生きた証 絶対生

          ﹣鍵﹣

          𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 月の光が強い夜 うっすら見える青空を ベランダの手すりに もたれて見ていた 太陽のようなその人は 光と夢をくれた 何度も痛めつけた 醜い命の事を 少し許せるようになった 真っ暗だった過去は 木漏れ日のような未来になった どれだけの鍵があっても 開かなかった扉が 今 開いた気がした 𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄