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﹣散文 ⅱ﹣

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17:21

ただ寝転んで
空を見ていた
流れゆく雲が
ちぎれて消えた
なんでもない
この時が愛しかった
夜の気配が
仄かな香りと共に
この部屋にも
やって来た


爽やかな風吹く丘
街が遠くに見える
静かに進む飛行船
雲が割れて光が差す
小さくても確実に
歩いてきた道を
今は振り返る事もせず
ひたすら歩いてゆく
いつからか信じる事が
難しくなってしまった
頼りないこの心は
笑い合える未来を
まだ夢見ている


物語

小さな足あと
それは不意に
夢の模様を切り取って
ただ夜を待った
ビンに詰めた生活の欠片
ひらり儚さを纏う
あの日の青空と月の明かりを
目指して進んでゆく
優しい世界の森を抜けたら
追い求めていた場所に辿り着く
古びた看板のような
懐かしい香りがする世界を
悲しみをかき混ぜた色彩が覆う
ぼんやりと霞む寂れた町
好きな色で塗りつぶす夜更け
誰も知らない私だけの物語


𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄




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