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《映画感想》Netflix配信「ロ・ギワン」/ マフィアいらない…

Netflix配信映画「ロ・ギワン」

※あまり好意的な感想ではないです。

ベルギーに流れ着いた天涯孤独な脱北者の男性と、心に傷を負ってベルギーで生きる韓国人の女性が出会い、お互いを支え合いながら生きていく。
現在、Netflixの映画部門で1位となっている。

イマイチでした。
まず、主人公ギワンと出会い恋に落ちる女性マリの設定がしっくりこなかった。
マリはマフィアに借金をしており、その返済のために地下の違法賭博場で射撃対決をさせられている。集中力を高めるドーピングのために、麻薬を打たれたりとか。ここら辺の設定の安さですよ。つまらない2流ドラマのような、無理ある設定。今どき、世界のどこで射撃でギャンブルをする???客たちも「ふぉーーー!」て興奮してるけど、絶対おもろないやん。格闘技とかならわからんでもないけど。えてして韓国ドラマは海外マフィアを出しがちだけど、解像度の低さが悪目立ちするから本当にやめてほしい。そりゃ今もいるはいるだろうけど、時代を経て「ゴッドファーザー」的なのとは違ってきてるでしょ。そこ雑に描かれるとすっごい冷めるので勘弁して欲しいです。
このドラマのミソは、脱北した主人公がベルギーについてからも、難民申請までの期間を飢えや寒さに苦しみながら生き抜くというリアリティにあるのだと思う。ただマリの登場によって、一気にチープなものになる。そんな突飛な設定よりも、金がないとか、ギワンみたいに天涯孤独だとか、そういうのでいいわけですよ。徹底したリアリティでこそ人々の心を打つ作品はできる。
で、調べてみたところ、どうやらマリは原作の小説には出てきておらず、映画オリジナルの登場人物だということ。韓国ドラマ(映画)の良くないとこ出ましたね(笑) なんでもメロドラマを入れたがるっていう。やめてくれー。恋愛かませずに作れへんのかーい。
ほかにも、主人公が脱北した理由も腑に落ちなかった。他人の喧嘩に首を突っ込んだら警察から追われるようになって…ていう程度。いわゆる“亡命”を扱うってことは、その国の政治体制を批判するってことになるでしょう。この場合は共和国を。それなのに、どういう理由で亡命したかをハッキリ書かないというのはズルイと思う。共和国の現実に即しているのか、それともバイアスがかかっているのか、観客の審判を受けなければならない。
丁寧な状況説明は、観客に没入感を与え、物語をより身近にする。精進してください。

ただ役者は良かったです。ギワンもマリもいい演技してましたね。違う作品で会えるのを楽しみにしています。
てことで、僕はあんまりオススメしない映画でしたー。ちゃんちゃん。

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