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すぐに全速力で走り出してしまう未来のわたしへ 「休むのも、仕事。 」 —2022年ファスティング備忘録—

“休むのも、仕事。”

その言葉の本当の意味を、私はわかっていなかったんだと思う。

このnoteは「誰かに何かを伝えるため」ではなく、「すぐに全速力で走り出してしまう未来の自分のため」に書き残しておく。記憶は美化されてしまうし、忘れてしまうから。なるべく今の私の中にあるリアルを綴る。

わたしは、2週間のデトックス入院をすることにした。

カラダの不調をきっかけに集中デトックスすることにした。詳細はインスタに書いた通り。


昔からバイタリティはあるけどカラダは弱くて、いつもどことなく不調を抱えていて。でもそれを上回る情熱とかやりがいに、カラダのサインには見て見ぬ振りしながら無理をする。全力投球をしては燃え尽きる。そしてガッツリ休んでエネルギーチャージしてまた走る。それが一番良い結果がでるもんだと思っている節がある。(たぶんそれ以外の成功方程式を知らない。ソルジャー世代あるあるだ。)

うまく息抜きもしているし、なんならしょっちゅう旅に出たりして遊んでもいる。だからわたしのカラダはこういうものだ、こういうスタイルで仕事をするのが私らしさなんだ、と決めつけていた。でも35歳を過ぎて、ガクンと体力が落ちたというかカラダの中身が変わってきた感が否めなかった。(自分は大丈夫だと思っていたけど、全然そんなことなかったよ)

カラダを崩すとメンタルも落ち込むもんで、仕事のペースを落として様子を見たけど休むだけでは回復せず、自己内省では根本解決せず。寝て治る病気でもないし、これはカラダのフルリセットが必要な気がして、薬で治すんじゃなく、自分のカラダを信じて治癒力、免疫力を高めなきゃなと。

40代に向けて、いよいよこれまでの思考・やり方を手放して、魂(精神だけではなく血液とか内臓とか心身の意味を含んでる)を入れ替える必要がある気がして、自ら選んで「入院」した。

入院と言っても手術をしたわけでも精密検査を受けたわけでもなく「カラダとの対話」をして,不要なものを手放すデトックス期間のことをそう呼ぶことにした。

私にとって癒しとか休息とかの類とは違う、仕事を全部ストップして施設に入って「本気でカラダと向き合う真剣勝負」だったからこれはもうある意味、入院だ。

やったことは、1週間のファスティングと1週間のマクロビ食養生。ノーカフェイン、ノーアルコール。そしてノー動物性の食事。そしてトータル2週間のデジタルデトックス。東洋医学的アプローチでの治療を組み合わせて身体的ケアも。

独学や見様見真似ではなく、ちゃんと環境を整えてちゃんと学ぶ。やるなら徹底的にやる。これは私の性格。

さて、9月28日から2週間の入院生活がはじまった。

2週間で実感している変化(未来の自分よ、ちゃんと思い出してな!)

◎カラダとマインドの変化
•カラダが軽い!
•体脂肪率がグッと減った
•低気圧の日の頭痛と耳鳴りがなくなった
•首と背中が痛くない!
•肌がふかふかに柔らかくなった
•吹き出物がなくなり艶がつるん
•むくみがとれて目がぱっちり開いた
•二の腕,背中がスッキリ
•気持ちが穏やかになりイライラしなくなった(特に夫に対する態度や言葉が激変!)
・歩くスピードや声のトーンが落ち着いた
•食事がカラダに沁み渡っていく感覚が楽しい
•目覚ましなしで、朝5時半に起きれる(奇跡!)
・iphone、PCを1時間以上見続けるのが辛くなった(いつも携帯を右手に握りしめてる人だったのに)

ちなみに一昨日は、台風による低気圧、満月、生理前というトリプルパンチの日だったのに、すこぶる元気だった。自分でもびっくり。ここ数ヶ月続いためまいも耳鳴りもなく、朝から穏やかな微笑みまでかましていた。(ブラボー!) 

人生初の本格ファスティング(断食)がすごかった。

さて、何をしたか。
まずは伊豆高原のファスティング施設に入所。ここでは、まず丸3日間の断食と3日間の補食期間を過ごす。

体にいいよ、頭がスッキリするよ、といろんな人から聞いていたし、ジュースファスティングとかやったりはしていたけど、ガッツリ施設に入って取り組むのは初。ドキドキ。お腹空かないか不安。。。

断食3日間の相棒は、この酵母ドリンク1本のみ。

断食初日。
朝は5時に起床。白湯を飲んで、ストレッチ。朝日を見に高台まで散歩して、読書して、書き物して、施設に戻って温泉に入る。これを朝のルーティンにした。

朝日が綺麗。

8時には皆さんと一緒に気功体操。(これが良かった。気づいたらテキパキ動いちゃう私にとって意識的に呼吸してゆっくり動く体操は難しい)

そのあと、メディカルチェック。鍼、整体、内臓を温める温熱パック、酸素ボックスなどプログラムに合わせてケア。

日中は自由時間だけど私はiphoneも持ってない(期間中は金庫に閉まった)ので、基本はまた散歩、ヨガ、読書。ひたすら本を読む。一番の関心ごとである禅仏教や気功、ホリスティック医学の本を10冊は読んだだろうか。ビジネス脳が動くものは一切排除した。

最初は仕事のこととか、これからのこととか、年内のスケジュールとか色々考えたりしたんだけど、今はカラダの変化に敏感になろうと頭を空っぽにすることの修練としてひとり瞑想し続けた。

何も食べてないのであんまりパワーもわかない。反対にどんどん穏やかに、心の浮き沈みなく、省エネになっていく。湧き上がるパワーというより、地に足がついていく感じがした。

そんなこんなで19時にはやることがなくなって眠くなる。温泉に入って、夜の瞑想をして、20時半就寝。

お腹は空かないけど、水分をたくさんとってるからトイレに行きたくて夜中に一度目が覚める。(初日、うわっ!寝過ごした!って焦って飛び起きたらまだ23時で、え?ってなったw )

断食3日目。
夜中に突然の頭痛、動悸、ひどい倦怠感、吐き気、、、。いわゆる好転反応で、これはカラダの中の老廃物や代謝物といった毒素が排泄されることで生じるものらしい。(これが噂の好転反応か・・・やべぇ。って冷や汗出しながら夜中悶えた。)

朝のメディカルチェックで夜中の苦しみを伝え、でも「明日にはスッキリしてくるから大丈夫ですよ!」とスタッフさんに励まされ、酵素ドリンクを追加で出してもらい、その日は安静に木陰のベンチで,森を見ながらぼーっとしてた。ほんとに翌日にはスッキリしてめっちゃ元気になった。

断食4日目。
補食がスタートするも、初めはこんな感じ。
発芽玄米三分粥と野菜を丸ごと16時間くらい煮出したスープ。これを30分かけて少しずつ、少しずつ食べた。最初にスープを飲んだ時にカラダに沁み渡る感じったらすごかった。はぁぁあぁ、、、と感嘆の声が出て涙まで出そうになった。

丸3日断食したので、3日かけてゆっくり普通食に戻していく。補食3日目の朝にうどんが出た時はなんだか感動した。(うわぁ、、もうちゃんとしたご飯だわってw)

全粒粉のうどん

そしてこの朝ごはん食べるのに40分くらいかけた。とにかくもう噛んで、噛んで。たまに箸を置いて、ふぅっと休んで。ゆっくり食べる。誰かと喋ることも、何かを見ることも、読むこともせず、ただ食事に集中して40分かけて食べるってなかなか大変。(こんなに一人で食べる食事に時間かけたことないわ!)

そうこうしているうちに、4日目の朝、鍼の先生から肌がだいぶ整ってきたね、と言われ、確かに肌のきめがめちゃ細かくなってふっくらしてきたことに気づく。肌にあった謎の吹き出物もすっかり治ってつるんつるん。肌の艶も蘇るのね。すごい。

初日に温熱パックをしてもじわーとお腹が温かいくらいだったのに、5日目には汗が出るように。気が整って心も穏やかになっていくが自分でわかる。私は昔から鍼が苦手で、怖かったんだけど、先生が1箇所ずつ私の気がたまっているところをゆるめてくれるのがわかるから信頼して任せた。今ではすっかり鍼のトリコ。めっちゃいい。先生からお灸のやり方も教えてもらって、今でも毎日セルフお灸を続けている。

「ぼちぼちやる」というのは手を抜くのではなく加減をするということ。


そんな日々の中で、ある日整体の先生に言われた。

「オアさん、ぼちぼちやったほうがいいよ。」

頑張り過ぎても長続きしない。ぼちぼちっていうのは、いつも余力を残しておくこと。余白を残しておく、ということ。じゃないと長くは働けないし、息切れしてしまう。

自分の性分を理解した上で、それでもなお自分でパワーや配分をコントロールしてこそプロなのだなと。わかってたけど、20代からずっと繰り返すこの思考。変えようと思うと変えられない性。でもこれは甘えだ。本当に必要だと思ったらトレーニングが必要だよね。(ぼちぼち。ぼちぼち。と唱えながらしばらく仕事しよう)

つまるところ、わたしは自分のカラダに甘えていたんだと思う。仕事でアウトプットを出し続けるも、精度が落ちていることも、雑念が多く集中力が低下していることも、無駄なプライドが邪魔して、本質的ではない仕事の仕方をしていることも気づいていた。不安や恐れに苛まれるのは正常な精神状態ではないし、アスリートが日々試合に出場した後にケアするように毎日のケアが肝心なのに、私は大丈夫!と思っていたんだと思う。

そういう時に「休むことも仕事。」と本当に思えていただろうか?手を抜くこと、戦線離脱すること、自分だけ楽すること、って思っていなかっただろうか。

毎晩リセットして、新しい気持ちで一日を始めるのが大事なのだ。

すっかり朝方に変わり、21時には就寝、5時に自然に目覚めるようになった。驚くほど少食になり,お腹がすかなくなった。カラダが軽い。体脂肪がグッと落ちて、肌艶が良くなった。目がグッと開いて、毎日あった頭痛が嘘のようになくなった。

マクロビオティック、はじめました。


ファスティング明け1週間に食べたものがその人の好物になるらしい。

そうなると私は濃い味好きだし、自宅でバランスの取れた食事の継続は無理だし、美味しいマクロビ食でゆるやかにカラダに覚えさせていこうと、長野県安曇野の穂高養生園に2年ぶりに滞在をすることに。

◎この2週間でやったこと
•1週間ファスティング(断食)→1週間マクロビ養生
•朝5時起床、21時就寝
•一日二食(10:00/17:00)
・朝起きてすぐに散歩(30分以上)
•手を合わせ感謝と祈りを心で唱えて、いただきますとごちそうさまを丁寧に
•一口50回噛んで、40分〜1時間かけて食べる

ここの食事は本当に美味しい。全部食材の旨味がする。マクロビの概念が一変する。カラダにいいから、ではなく、美味しいから食べたくなる。

最後の晩餐もここのご飯がいいし、もし病気になっても、普通の病院には入院せずここで余生を過ごしたいと心底思う。

そういえば、ニュージーランドで3カ月間暮らしてた時、フレキシタリアン(基本菜食で時々魚)を選択してたんだけど、あの時すごく調子良かったのを思い出した。穏やかなわたしでいられる。菜食が実は合ってるのかも、と改めて実感したので、これはまず10月いっぱいマクロビ生活を続けて、動物性のもの、お酒とカフェインも抜いてみようと決めた。

あと、ファスティングも定期的に続けてみる。とはいえ、厳しくやりすぎたりしても続かないし、期待をすると、結果を求めてしまう。だから過度な期待をせず,結果を求めず、日々朝起きて自分の体と対話する。何がカラダが求めるのか、何に反応するのかを実験してみるつもりで。

皿を洗うために皿を洗う。

これは、今回の入院期間に読んだティックナットハン先生の本から。

皿洗いには二つのやり方がある。
皿をきれいにするためと、皿を洗うために皿を洗う。
皿を洗うのは嫌な仕事と言わんばかりに、食器の山を片付けることばかり考えていては、皿を洗うために皿を洗うにはならない。このひとときを本当の意味で生きていない。皿を洗う時には,ただひたすらに皿洗いに専念する。皿を洗う時には皿を洗うことに完璧に気づいている。

マインドフルネスは、「気づく」力であり、気づき続けることであると書かれていた。

たとえば、食事。この2週間の私は、

三分粥と具なしの野菜スープに30分。
マクロビ食には、1時間。

しかも一人で黙々と食べる。誰とも喋らない。時に箸を置き、50回噛む。だんだん疲れてくる。顎というよりこめかみが。でも食材をひとつずつ味わうことで感謝も湧き上がってくる。いただきます、ごちそうさま、は手を合わせて30秒ほど、感謝と祈りを込める。

食べるとは「お腹を満たす」のではなく,「エネルギーを食べている」のだと、新しい気づきがあった。その食べ物から、作った人から、私はエネルギーをもらっているのだと思った。

普段なら、テレビを見ながら、Youtubeを見ながら、なんならPCを開きながら、「ながら」で食べていることがなんと多いことか。「食べる」に集中すれば、それだけでたくさんの気づきがあると知れた。これが、皿を洗うために皿を洗うということか、と。

あと、目の前のことに集中できるようになったのは、デジタルデトックスの効果がでかい。2週間iphone、PCを開かない生活をしてみると、いかに自分が余計な情報を取りに行っているかがわかる。頭に余白が一気に生まれる。余計な雑念が湧かなくなる。そしてとにかく電磁波を感じるようになる。帰りの新幹線で1時間見たら、身体がビリビリして頭痛がした。正直、最初はちょこちょこチェックしたりしたんだけど、でもこれは「責任感」という建前を着た、「弱さ」であり「恐れ」だと思ったし、任せたんなら任せろよ、と自分を諭した。電波が通じない山奥でよかった。仕事は全て仲間を信頼してお任せして、この2週間は過ごさせてもらった。

改めてこの2週間の入院を経て、わたしのカラダはちゃんと変わるということも実感できた。食べすぎ、飲み過ぎ、働きすぎ、考えすぎ。どれもtoo muchだったのね。

今回読み直した松浦弥太郎さんの「1からはじめる」にこんなことが書いていた。

一生懸命なふりをして、でも実は八割くらいの一生懸命さで、笑って楽しく仕事をする。二割の余裕は取っておく。
自分の底を見せないとは、メンタルを守る方法でもある。

松浦弥太郎 1からはじめる。


「休むのも、仕事。」
カラダを休めることも、脳を休めることも、普段頑張ってくれている胃腸を休めることも、仕事。サステナブルに大好きな仕事をしながら生きていくんだから、全速力で走り続けちゃだめ。なんでも、ほどほどに。2割の余裕を残して、ぼちぼちやる。そうやって本当にここぞのために力を貯めておくのだ。

逗子の夕焼け。それはそれは美しかった。

すぐに全速力で走り出してしまうわたしへ。
時々思い出そうね。しばらくはトレーニング期間だな。


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