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やっぱりおかしいHPVワクチン政策

予防接種法上、A類疾病であるヒトパピローマウイルス感染症の予防接種。

行政のやってることがおかしいと思うので、まとめました。

法律レベルの話

予防接種法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000068

第二条の2項にA類疾病が規定されています。

第二条 (省略)
2 この法律において「A類疾病」とは、次に掲げる疾病をいう。
一 ジフテリア
二 百日せき
三 急性灰白髄炎
四 麻しん
五 風しん
六 日本脳炎
七 破傷風
八 結核
九 Hib感染症
十 肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る。)
十一 ヒトパピローマウイルス感染症
十二 前各号に掲げる疾病のほか、人から人に伝染することによるその発生及びまん延を予防するため、又はかかった場合の病状の程度が重篤になり、若しくは重篤になるおそれがあることからその発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病

第八条に、市町村長又は都道府県知事は、A類疾病の予防接種の対象者やその保護者に対して、接種を勧奨するものとする旨の条文があります。

(予防接種の勧奨)
第八条 市町村長又は都道府県知事は、第五条第一項の規定による予防接種であってA類疾病に係るもの又は第六条第一項若しくは第三項の規定による予防接種の対象者に対し、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けることを勧奨するものとする。
2 市町村長又は都道府県知事は、前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者に対し、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けさせることを勧奨するものとする。

そして、第九条には、予防接種の対象者やその保護者に対して、予防接種を受けるまたは受けさせる努力義務が規定されています。

(予防接種を受ける努力義務)
第九条 第五条第一項の規定による予防接種であってA類疾病に係るもの又は第六条第一項の規定による予防接種の対象者は、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(同条第三項に係るものを除く。)を受けるよう努めなければならない。
2 前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(第六条第三項に係るものを除く。)を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

予防接種の費用負担について、第二十五条~第二十七条に公費で負担する旨の規定があります。(長いので条文は省略します)

要するに、A類疾病の定期接種は、公的な立場から接種をおすすめしているし、費用も公費で負担するからできるだけ受けてね、と法律で定められていることになると思います。

法律の趣旨に背いている「通知」

平成25年6月14日 ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/pdf/kankoku_h25_6_01.pdf

1 ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対象者又はその保護者(以下「対象者等」という。)に対し、予防接種法第8条の規定による当該接種の勧奨を行うに当たっては、市町村長は、接種の積極的な勧奨とならないよう留意すること。

法律で予防接種の勧奨はしているが、積極的に勧奨することはしない?消極的におすすめする?

筆者は、この通知により、実質的に予防接種をおすすめしていない状況を作りだしていると考えています。

「通知」が2020年10月9日に一部改正されたけど・・・

ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の対象者等への周知に関する具体的な対応等について
https://www.mhlw.go.jp/content/000680908.pdf

別添:ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告) 新旧対照表[PDF形式:128KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000680906.pdf

参考:ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告) 改正後全文[PDF形式:309KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000680907.pdf

1 ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対象者又はその保護者(以下「対象者等」という。)に対し、予防接種法第8条の規定による当該接種の勧奨を行うに当たっては、市町村長は、接種の積極的な勧奨とならないよう留意すること。

情報提供をしっかりやりましょう程度の話であって、結局、本丸である「積極的勧奨の差し控え」は継続したままです。(とはいえ、一歩前進ではあると思います)

結論

HPVワクチンが危険かもしれないなどの理由で、接種すべきでないと判断するのであれば、法改正して定期接種から外したらいい。

有効性と安全性が確認され接種すべきと判断するのであれば、法律の趣旨に従い勧奨したらいいと思います。

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