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東京から1240km離れた五島列島でハードワークをしたら、人のあたたかさによって今までの自分を手放せた話

先週のいまごろ、私は東京から1,240km離れた五島列島でリモートワークをしていた。Business Insider Japan主催のリモートワーク実証実験に3泊4日で参加するために訪れた。

先週のちょうどいまごろ、私は、仕事をいったん中断して、福江島で働く方々、移住者の皆さん、そして一緒の期間に実証実験に参加していた皆との懇親会に参加していた。2次会に参加したい気持ちをぐっと抑えて、街灯がない道を自転車を走らせバンガローに戻った。バンガローに到着すると、参加者のお母様がいらっしゃって、仕事をするために1人で帰ってきた私に、お湯をためてくれた。

正直、五島列島にいる間は、平日はとにかく仕事をして、バンガローで同居する皆さんと適度に会話をして、週末は荻野淳也さんのマインドフルネス研修に参加して、自分と向き合って。

そんなかんじかなと思っていた。

もちろん、ハードワークはできる

3カ月前に、この実証実験に参加することが決まって、「五島列島でハードワークできるか」を検証しようとしていた。

五島列島でも、平日は一心不乱に仕事をした。私自身、東京でもリモートワークはしているため、インターネット環境さえあれば、仕事をすること自体は問題ない。場所を変えても仕事は出来るなあくらいで、事前のタスク設計もいつもどおりだし、感想も発見も特になかった。予想どおり。いまとなっては、果たして私はネットワーク環境でも検証したかったのだろうかしら。

※今回、問題ないインターネット環境で仕事が出来たのは、セレンディップホテルさん、NTTドコモさんはじめ、皆さんの協力あってのことであったことを補足しておきたい。

「手放したいこと」「自分が大切にしてきたこと」を葬る

事が動き出したのは、荻野淳也さんの2日間のマインドフルネス研修に参加していた際中である。

1日目の夜に、火を見ながら「手放したいこと」「自分が大切にしてきたこと」を火に葬るというセッションがあった。

私は、以下の3点を葬った。

・「出来ないやつ」と思われることへの恐怖
・「何者かにならなければいけない」という思い込み
・大切にしてきた「悔いのない1日」というモットー

「手放したいこと」よりも「自分が大切にしてきたこと」を葬ったことが、私にとっては非常に大きかった。

私が大切にしてきたことは、「悔いのない1日」というモットー。幼い頃に、報道で阪神淡路大震災を目の当たりにし、明日死ぬかもしれない、ということが急に身近なことに感じられ、それ以降、ある程度、捨て身的な感覚で生きてきた。補足しておくが、私は、阪神淡路大震災の当事者ではない。幼き日に刻み込まれた記憶だった。

その、「悔いのない1日」というモットーを放ったのだ。

私が大切にしてきたことは、いったいなんだったのか

私は、仕事に没頭していると、「食」をないがしろにする傾向がある。今回も、食事はどうなるか分からないけど、とにかく仕事をしなければ、という状態であった。

まったく想像もしていなかったのだが、滞在中は、同居人のみんなが食わせてくれ、何かと生活をサポートしてくれた。そして、同居人だけでなく、一緒の滞在期間だったみんなが助け合っていた。私はその好意に全力で甘え、時間を見つけては仕事をし続けていたのだが、そんな私を受け入れてくれたのだ。私が、悔いなきよう仕事をしている傍らで支えてくれていたのだ。

ああ、私にとって、「悔いのない」とはなんだったのだろうか。私が悔いなく過ごせたと思った1日があったとして、それは、誰かが支えてくれた上で実現できているのではないか。私が大切にしていたことはそんな独りよがりのことだったのだろうか。

手放すということ

そのとき、こんな思いが湧いてきた。幼き頃の映像から、自分を戒めてやってきたかもしれないけれど、もう大丈夫だよ、と。これからもあなたは、悔いのある選択をすることはないから、もう手放しても大丈夫だよ、と。そんな思いが湧いてきたのだ。

荻野さんのマインドフルネス研修は「なぜ働くか」がテーマであった。大切にしてきたことを手放して、様々な問いと向き合って、向き合う中で目の前に広がる海を見ながら涙が止まらなくなって。

いままで、いくら本を読んでノートに書き殴っても突破できなかった壁が、バクっと割れた感覚がある。

人生において、縁があってすれ違った人に、あたたかさを返せる人間になりたいなと、これから大切にしたいことを思った。

一緒の滞在期間だった皆。空港に向かう私たちを見送ってくれて、何かを語るには3泊4日はとても短かかったけれど、初めから終わりまでこんなあたたかさだった。


ちなみに、これだけ事前準備をして五島列島入りをしたにもかかわらず、今回はまったく島を巡ることが出来なかった。また近いうちに必ず。


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