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身近なものに焦点を置くこと。


25歳の頃、ニューヨークへ行った。しっかりとした目的があったわけではない。


私は「なんとなくそうだ」「なんかわからないけどこうしたい」という感覚を大事に生きている。ニューヨークもその一つで、なんか行きたくなったのだ。なんか行きたいと思ったら行くしかないので、ニューヨークへ行った。旅行ではもったいないと思い、語学留学を兼ねてホームステイをした。



午前中は家で英語を学び、午後はタイムズスクエアやセントラルパークなど、有名どころは回った。ホームステイだったので、旅行とは違う楽しみがあった。


そんな中ひとつ感じたのは、自分が思った以上に身近なものに興味を持っていないということだ。外に外に意識が行き、あまり自分や家族、友人などに焦点が当たっていない。ホストファミリーに家族のことを聞かれたが、家族の好きな食べ物??知らない。そんな感じだった。


人に紹介できるほど、身近な人やものを知らない。それはあきらかに興味がないというより、見ようとしていないというネガティブな感覚だった。





探していたものが、実はもう自分の中にあったということはよくある。ないと思って手に入れようとしたものが、実はあったということなんてよくあることだ。わざわざ遠くに求めなくても、既に手に入っていることに気づくだけで十分なのに、と思うこともたくさんある。


ニューヨークに何を求めていたのかは未だに謎だが、あの頃は大事なものが遠くにある気がしていた。ニューヨークに行って、多分ここにはないということに気づいた。帰って家族や友人をより大事に思うようになった。今の仕事も、大切にしようと感じた。そう思ったら、自分の周りに既にあった大切なものが見えてきた。何も大金を出してニューヨークへ行かなくても、ちゃんとある。そう思えた。


海外に行くといった特別感はないけれど、日常が特別だと思えるくらい、今は普通の毎日を大切に過ごしている。

たまには特別なことも必要。

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