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パンを食べるように本を読む

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「読書は、パンを食べるようなものだからね。走るときに備えての栄養なんだ。」ポール・ランド デザインの授業という本にあった言葉を抜粋し、このマガジンのタイトルとしました。気になる章… もっと読む
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2020年1月の記事一覧

舌打ちとひとり言が多いとき、その体はカチコチかもしれない

トゥレット症候群はチックという一群の神経精神疾患のうち、音声や行動の無意識な運動がとまらない症状のことである。例えば、汚い言葉を発することが止められない、鼻を鳴らしたり、指をたてたり、震えが止まらない、といった症状が挙げられる。 トゥレットであると診断されたわけではないが、私にも独り言をいったり、夜中に汚い言葉を叫んだりする癖がある。仕事や公共の場でそれらを行うことは無いため深い問題として捉えているわけではないものの(自覚してないだけかもしれないが)、それらがどんなときに起

読解力はボキャブラリーを豊かにすることで鍛えられる

新しい仕事をするとき、読んだことのないドキュメントを読まないといけない。 読解力とは、文章の主張を理解する力のことである。「AI VS.教科書が読めない子どもたち」には、日本の小中高校生の読解力が年々低下傾向にあることが書かれていた。 この低下傾向にある「読解力」の定義とは、「ある文章を読んで、かかり言葉と主語を照らし合わせ、その文章の主張を理解する力」である。 読解の力を低くした原因はなんだろうか。実は「貧困との負の相関」以外見つかっておらず、例えばスマートフォン利用

同じ言葉と知識を持たなければ、対等な関係は作れないし、アイデアも生まれない

使う言葉と知識の量が違うのって何が駄目なんだろう、を考えてみた。で、いわゆる言葉遣いだったり知識の立場の非対等性が強まっちゃうと、嫌でも上下関係が発生してしまい、結果としていいアイデアが出づらくなるよね、ということなんじゃないか。 デザイナーなら、デザインスプリントという言葉を耳にしたり、実践したりした人は多いかもしれない。上記に紹介した本は、個々人が持つたくさんの情報を発散し、まとめ、最適解を選択していくものづくりの手法について言及している本だが、実際に中を見てみると思っ

企業イメージはなんで作らないといけないの?

なんでロゴを作るのにこだわらないといけないのか。なんで企業イメージが大事なのか。なんでカラーは統一しないといけないのか。 恥ずかしながら、少し前まではそれらの重要性...は知っていても、「そこまでお金や時間をかけてやるものではないんじゃない」と思っていたのである。そんな温度感がシビアになったのは、とある仕事の話がきっかけだ。 自社にある商品内容をそっくりそのまま他社にパクられてしまい、気づけばパクリ元のほうが本家よりも知名度が上がってしまったと聞かされたのである。 でも

衝撃的な取捨選択 / ロバート・ハインデル ダークネスアンドライト

「絵画はすべて偶然の賜物か、いやそうとも言えない。そこから何を残すべきかを判断し、選び取るのだから」フランシスコ・ベーコン(芸術家 1909 -1992) ロバート・ハインデルの絵を見て驚くのはコンプレックスハーモニー配色で構成される面、ファッションイラストレーションのような斬新な構図、そしてアカデミック絵画としての熟練さが組み合わさっていることだろう。 この図録に手をとるのはもう3度ほどだが、彼が最終的に選び取り、キャンバスに残したものに敬意と感動を表さずにはいられない

ライフスタイル系実用書がくれるキラキラした高揚感が好き

身の回りのうつくしい植物が、自分の不調を癒やしたり、血行を良くしたり、怪我の治りを良くしたりしてくれる。自分のつまらない生活のワンシーンに、実はすごく価値をもったものがある、そんな発見をしたとき、こどもにかえったようなキラキラした高揚感が湧いて出てくる。 小説「西の魔女が死んだ」は、表紙がボロボロに破れてしまうくらいに惚れ込んでいる私のライフスタイルの教科書だ。 洗いたてのシーツをラベンダー畑の上に置いておくと、夜眠るときにラベンダーの香りが鼻腔をやわらかくつつみ、ぐっす