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衝撃的な取捨選択 / ロバート・ハインデル ダークネスアンドライト

「絵画はすべて偶然の賜物か、いやそうとも言えない。そこから何を残すべきかを判断し、選び取るのだから」フランシスコ・ベーコン(芸術家 1909 -1992)

ロバート・ハインデルの絵を見て驚くのはコンプレックスハーモニー配色で構成される面、ファッションイラストレーションのような斬新な構図、そしてアカデミック絵画としての熟練さが組み合わさっていることだろう。

この図録に手をとるのはもう3度ほどだが、彼が最終的に選び取り、キャンバスに残したものに敬意と感動を表さずにはいられない。

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2018年に代官山でロバート・ハインデルの展覧会があった。そこで油絵に対する古臭いイメージや、詩人のような現代絵画のイメージが一蹴された。精神性を描く、ということがいままでよくわかっていなかった。絵画からにじみ出る雰囲気に共感してもらうというのは、100人見る人がいてそのうち一人に伝わるくらいのガチャを回すようなものだと思っていた。受け手がすべてを決めるんだろ、くらいの暴力的な卑屈さを持っていた。

計画的な下絵の上に何を残すか、何を明確に選ばないかを明らかにすることが、多くの鑑賞者からの共感を得られるに違いないと確信させてくれたアーティストだった。

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