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洋梨とブルーチーズのタルティーヌ

洋梨は、難しいなぁと思う。

子供の頃から、
全体的に、くにょくにょしてるのに、
ちょっとざらっとした舌触りもある野菜や果物が
あまり好きではない。
その一番手はカボチャ。
サツマイモくらい、”くにょ”がなければ、何の問題もない。
むしろすごく好きだ。
その境界線は曖昧なところだが、
洋梨は、かぼちゃとはだいぶ違うけれど、
私の中では、”くにょ”と”ざらっ”が組み合わさってる
と感じる食材の一つだった。

フランスに来てから、いろんな品種の洋梨を食べて、
私が敬遠する質感ではない洋梨に出合った。
いつもりんごを買っている農家さんが作っているものだ。
その農家さんがマルシェに持ってくる洋梨は
少しずつ旬をずらして4〜5種類あるのだけれど、
どれも、ざらっ、がない。
香り高く、滑らかで艶やかでジューシーで、
毎日食べたい美味しさだ。
毎年、季節が始まるのを楽しみにしている。

でも、たまに買いそびれることがある。
それで、またおいしい出合いがあるかもしれない、
と、これまでに買ったことのないお店で買ってみると、
結構な割合で”くにょ”と”ざらっ”が同居している。

そうすると、
切ったそばから味見をして感じた舌触りに、
鼻から息を吐いてため息をつき、肩を落とし、
まな板の上で徐々に切り口が変色していく洋梨を
見つめることになる。
大抵の場合、少なくともあと一つか二つ、
同じ種の洋梨を買っている。

そんなときには、ブルーチーズを溶かして上からかけ回し
タルティーヌにするようになった。
パンをオーヴンでトーストするのと同時に、
少し深さのある耐熱皿にブルーチーズを置いて、
それだけだと塩気がきつくなってしまうから、
生クリームか牛乳か、余ってる白ワインか何かを少し加えて
オーブンに入れて溶かす。

パンに軽く焼き色がつく頃にはチーズも溶けている。
焼いている間に切っておいた洋梨をパンの上に並べ
上から溶けたチーズをかけるだけ。

ブルーチーズも、ほんの少し”ざらっ”としている。
勝手な話だが、それは気にならない。
で、おそらく、そのブルーチーズの”ざらっ”があると
洋梨の方の”ざらっ”が気にならなくなり、
爽やかな甘みの風味と果汁だけが味わえるようになる。

火曜日に買った洋梨が好みじゃなくて、
今朝は、このタルティーヌにした。

合わせるパンは、天然酵母ハード系の半全粒粉パンとか
ちょっと香ばしいタイプの方が、
おいしさが立つ気がする。

もちろん、好みのタイプの洋梨でこれをやっても
おいしい。
したことないけど多分ワインとも相性いいと思う。

私はいつもコーヒーと。


ではまた明日。

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