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クレソンとクルミのペーストでタルティーヌ

5分ちょいで用意できる朝ごはんとしては、
満足度高いなーーー!と自画自賛した今朝。

毎日、ちょっと気分転換したくなると
台所に行って、クルミの殻を割っている。
そして、割ったそばから食べている。

昔、「ル・ブリストル」というパラスホテルの厨房で
研修をしていた時、2ヶ月間毎朝、
私は、茹で上がった蟹を殻から出す仕事を与えられた。
たしか、蟹は毎朝20杯くらいいた。
無心になれるのはいいのだけれど、
お昼の営業に間に合わせないといけないし、
いつも必死だった。
重さの違う分銅が3つあって、
足の部分は、それを使って、殻を割る。
分銅の落とし所が悪くて、殻からズリッと落ちて
殻を抑えていた指に直撃すると、ひどく痛かった。

季節は初夏。
殻から身を出さなければいけないのは
蟹だけではなく、オマール海老もいた。
ガスパッチョにオマール海老を合わせた前菜が
メニューに掲げられていたのだ。
これがまた人気の一品だった。
こっちは、爪の部分の身を、崩さずに取り出さないといけない。
でも、先っちょの黒い部分が、ちぎれるんだよねぇ……

という緊張感を、
クルミの殻を割っていると、時折思い出す。
で、ちょっと天邪鬼で依怙地な気持ちが顔を出し、
「きれいな形で取り出せなくて全然いいもんね〜。
むしろその方が心置きなく使えるし!」
なんて思って、クルミの実がほろほろと崩れてしまっても
気にせず、割り続ける。

でも、本当は、きれいに取り出せると嬉しい。
それだけ脇に取り置いて、瓶に保存しちゃったりする。

クルミは、そのままでつまむのも好きだけれど、
サラダの具にしたり、パスタにも使ったり、
いろいろ活用する。

数日前、ボロボロと粗めに挽いた素朴なペーストを
パスタと合わせたくなった。

粗めにしたかったから、華奢なハーブではなくて
クレソンと合わせることにした。
応用しやすいようにチーズを加えずに仕上げた。

少したっぷり目に作って、
余った分で用意したのが今朝のタルティーヌ。
上からコンテを振りかけようと思っていたのに、
もう食べ終えてしまっていたみたいで
今朝はエティヴァétivazをおろしてかけた。
コンテよりも、味に深みがあり、
鼻にくわんと香りが直撃するスイスのチーズ。
ハイジのおじいさんはきっとこんなチーズを食べていたに
ちがいない、と思うような、そんなチーズ。

このクレソンとクルミのペーストは、
きっとお蕎麦とも合うし、だからそば粉のガレットとも
おいしいだろうと思う。

明日公開されるフィガロ.jpの連載で
すんごく大雑把なレシピを書きました。
公開されたら、URLお知らせしますね。


また明日。

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