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Change Behaviors, Transform the Future

ついにWBSを卒業(修了)する日を迎えてしまった。

思い出すのは、午前0時の大勇、月曜朝8時が締め切りの課題、そして常に寝不足の朝の会議。
1年間、毎週金曜の夜を捧げた11号館のゼミ室。
東西線の早稲田の駅を出て、18時に授業を終えた学部生の帰宅の流れに抗いながら南門に向かう。20歳前後(と思われる)の女子学生の服装はいつも眩しい。門をくぐると必ず目に入る、20年前と変わらぬ現思研の立て看板。

思えば20年前の私は、上京と新しい環境への期待に胸を高鳴らせてこの門を(いや、正門か?)くぐったんでした。
大学の4年間、ほぼ文キャンで過ごしたので、実は本キャンの思い出はほとんどない。
でも4年間よりも密度の濃い2年間を、40歳を超えてからこの場所で過ごすことになったことは奇跡でも偶然ではない。20年前の自分が門をくぐれたのは、所与のものとして与えられた幸運な環境や境遇(いわゆる「下駄」)の賜物だったけれど、この2年間は、私自身がいくつもの選択や挫折の結果、自分の手で手繰り寄せたものだと、今は思う。

もともと社交的な方ではなかった。今もそう。
団体行動は苦手だし、物心ついた時から文字の世界で生きてきたので、一人で本を読んだり文化に浸っている方が好きだし、自分が発する言葉や行動には常に不安や後悔がつきまとう居心地の悪さがある。コミュニティマネージャーの仕事をしているのに関わらず、今も大人数の飲み会は得意ではない。

でもそんなのどうでもよくなるくらい、WBSの仲間たちは熱くて濃くて最高だったのだ。
Give&Takeではもちろんなく、Give&Giveでもなく、Giveのn乗。Giveが指数関数的に伸びていく連鎖。そんなの見たことある?

誰かが困っていたら寄ってたかって助けてくれるし、先生の発言に対して山のように意見や質問が出るし(まあ授業によるが)、他の人の成功をまるで自分のことのように喜んで祝ってくれる。そして何より、あっという間にいろんな物事が始まって進んでいく。みんなのために行われる企画と行動と気遣いと思いやりが半端ない。山ほどの各種の飲み会、自主的に開催される勉強会、入学や卒業パーティをはじめとしたイベント、たくさんのクリエイティブや成果物。高度なクリエイティビティと企画力と実行力、頭抜けた頭の良さ、そして人間力を持った人たちが組み合わさると、とんでもないイノベーションと成果が生まれるんだってことを、現実の世界で実感したのである。
大して何の貢献もできなかった私は、ただただ感謝をし、尊敬するしかない。
みんな、本当にありがとう。

自分のことに目を向けてみる。
私は過去のある頃から、自分に与えられたミッションを自分に課すような生き方をのぞむようになった。こんなことを言うとヤバい人扱いされがちなのですが、人にはそれぞれ自分がやるべきことがあって、そのために必要な能力や体力、人生の残り時間が与えられていると信じている。だからこそ、それを自覚して無駄にせず、社会のために最大限に発揮せねばと自分なりに思っている。

それは誰かに言われたわけではなく、自分がやらねばならないと思ったという完全なる思い込みなのですが、その結果がその時々の仕事での役割であったり、WBSでの学びをもとにしたアウトプットとしてのケースや修論であり、そして次の博士という選択をさせたのだと思う。

皆が楽しく遊んでいる金曜の夜や土曜の夜に、ひとり家で課題をこなし、ゆっくりテレビでも見ながら過ごすはずの年末年始をケースや論文に費やすのは、なかなに辛い。その辛さを少々自己愛的に楽しみながら、何とかしていくばくかの成果を生み出すということをやってみた結果、すっかりハマってしまったわけです。

過去の膨大な知の蓄積の海に潜るのは、最初は息ができなくてしんどい。どこに自分が探しているものがあるかが分からない。泳ぎ方や探し方に少しだけ慣れると、ようやく求めているものを少しだけ手繰り寄せることができる。でも見つけたと思ったら、まだその先がある。先行研究を読む面白さは、そんなところにあることがわかった。しかし学術の英語は難しい。DeepLやChatGPTのおかげでだいぶ楽をしていると思う。

共分散構造分析は、はっきり言って「沼」だった。もともと数学は一番の苦手科目だし、統計の授業もほとんどとったことがない。そんな自分がよく挑戦したなとは思う。
AMOSやSPSSと格闘していると、時間が文字通り溶けていく。
平日の昼間の仕事を終えて、18時に作業を始めて、ふと時計を見たら深夜0時を過ぎていたなんてこともザラにあった。これは仕事をしていなかったら逆にヤバいなと思った。

授業で学んだ知識は、そのまますぐに仕事に活かせるものとそうでもないものとを比べると、やっぱり明らかに後者の方が多いと思う。
でもすぐには活かせなくても、必要になれば取り出せる、いわば引き出しの枠ができたみたいな感じ。引き出しの中身の多くは、あっという間に忘れて、空っぽなわけですが。

グループワークで、自分とは違う考え方をする人や、モチベーションの違う相手とであってもアウトプットを出さないといけないという経験は、私にとってすごく貴重だった。メンバーが良ければラッキーで最高に楽しいし、そうでもない時もゴールに向かって協調することを何度か繰り返すことで、学びがある。逆説的かもしれないけど、リーダーシップを学んだように思います。そしてそれは仕事にわりとそのまま生きているように思う。

WBSを目指すと決めて、OBの方に話を聞いた時に、「実際に起業して意思決定をするとき、理論的な正解をMBAで学んで知っていたのが自信になった」という言葉がとても心に残っていた。在学中も、自分は果たしてMBAで学ぶべき「正解」に辿り着けているだろうか?ということを折りにふれて自問していた。

卒業した今思うのは、「意思決定する局面に立ってみないと、正解を学んだかどうか分からない」ってことです。えー。でも多分そういうことなんだと思う。必要な場面になってみないと知識なんて取り出されないし、そもそもその場面が来なかったら、無いのと同じ。その局面に自分を立たせられるかどうかの方がよっぽど大事。

そんなことを考えていたら、結局この言葉に行き着いた。私が所属する及川ゼミのスローガンです。

Change Behaviors, Transform the Future

未来を変えるのは、自分の行動しかない。
何も付け加えることのない言葉。

及川ゼミのロゴにも書かれています

尊敬する及川先生をはじめとする先生方、そしてゼミのみんなとWBSの仲間のみんな、本当にありがとうございました。これからも刺激し合いながら成長できる仲間として仲良くしてください。

職場の皆さん、応援してくださった皆さん、修論のアンケートに協力してくれた皆さん、本当に助かりました。改めて感謝申し上げます。

みんな、卒業おめでとう!
まあわたし明日からもう早稲田じゃなくて慶應の塾生だけど!笑

思い出の品たち
学部の学位記はエンジ、修士はネイビーだった

最後に、入学時のエントリーを置いておきます。


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