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#2いま、オンライン研修が必要な理由

安心して学べる場はどこでも作れる

この1年は、新型コロナウィルス感染症のために多くの行動が制限を受けました。私個人のスタンスとしては気をつけながら外出するというものですが、大学の授業やゼミや集合研修のような教育の場は可能な限りオンラインで実施しています。というのも、感染リスクに対する考え方は個人差が大きいこと、また学生や受講生が不安を感じながら参加しても学習効果が下がってしまうため、まずは「安心して学べる場をつくること」が大事だと考えているからです。

ただし、それは学習者間のコミュニケーションを軽視しているということでは決してありません。安心して学べる環境を優先した上で、学習者間が学び会う機会を別途盛り込んでいくのがよいと考えているのです。昨年1年間は大学の授業をほぼ全てオンラインで実施しましたが、工夫次第で学習効果はまったく下がらないという実感もあります。

WEBミーティングサービスを味方につける

これは、Zoom(ズーム)やV-CUBE(ブイキューブ)、Teams(チームズ)などのWEBミーティングサービスがここ最近で一気に身近になり、手軽かつ低予算でオンライン研修が導入できるようになったということも大きいです。さらに、オンライン教育であれば、これまでであれば遠方に住んでいるために研修の場に足を運ぶことが難しかったり、小さい子どもがいるために外出が難しかったりという、意欲はあるのに学習機会を得られなかった人たちにも門戸が開かれます。実際、オンライン化したことで、企業の研修参加率や授業の出席率は高まることが多いようです。

ただ、これまで対面でやっていた授業や研修を、オンラインに置き換えるという発想では、学習効果は維持出来ません。授業や研修の本質的な構造を、オンライン用に組み替えるという作業が必要です。

オンデマンド動画とケースメソッド教育法

研修や教育には、①知識提供と②能力開発という2つの側面があります。①知識提供は座学で良いので、好きなときに何度でも観られる「オンデマンド動画」が効果を発揮します。一方で、②能力開発は「経験」によって実現するため、「経験」のデザインが重要です。経験といえば当然ながら実務経験が最強ですが、実務経験だとその個人の能力開発フェーズに適した難易度やタイミング、テーマが都合よく振ってくるとは限りません。そこで、効率的効果的な能力開発のためには、研修の中で適切な「経験」を疑似体験させていきます。これが、ビジネススクール等で用いられる「ケースメソッド教育法」を活用した能力開発の手法です。ケースメソッド教育法はディスカッションをベースにしているため、主に対面研修として行われますが、これもオンラインで実施することは可能です

研修を行う場合、目的やゴールが①知識提供か②能力開発のどちらなのかをまず決めることが大事ですし、私に人材開発のご相談をいただいたときには、①だけでよいのか、①に加えて②までを行うのかを最初に確認して、期待する学習効果を実現するための提案をしています。


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