見出し画像

無駄を愛する

「時間」は有限なので、生きている間に出来るだけたくさんの有益な経験をし、できるだけたくさんの感動を味わい、できるだけたくさんの人と触れ合いたい。

そのためには、「時間」を効率よく使いたい。
1分1秒が惜しい。
出来るだけ予定を詰め込みたい。
ちょっと生き急いでいるんじゃない?って周りに心配されるくらい、常に駆け足で生きていたい。
あー今日はアレもコレもできちゃったな、大満足だな、って毎日眠りにつきたい。

って思うけど、実際は全くそんな風にできていない。

***

そう。
「無駄は良くない」「勿体無い」という価値観が昔から世の中に浸透しているし、昨今特にもてはやされているような気がする。

私もそう思う。
無駄は良くないし、有限なものは大切に扱わないといけない。
それが「時間」でも「お金」でも「モノ」でも。

じゃあなんで私は「時間」を無駄づかいしてしまうのか…と深掘りしてみたので整理してみようと思う。

「ミニマリスト」的生活

「時間」の前に、「お金」と「モノ」について。

私は厳密には「ミニマリスト」じゃないけど、「ミニマリスト的生活」を実践している。
身の回りに生活用品は極力少なくしたい。持ち物を減らしたい気持ちが強い。

✔️ 家電は必要最小限しか購入しない、使わない。
✔️ 部屋の装飾(家具、雑貨、観葉植物等)も必要最低限にする。(殺風景と言われるくらいのシンプルさ)
✔️ 見せる収納より見せない収納(収納できる量しかモノを持たない)
✔️ 新しい洋服を1着買ったら、古い洋服を1着捨てる。(靴も同様)

それでも、なんやかんやモノは増えてしまうので、定期的に断捨離を実施。

なぜ私がこういうことを自分に課しているかというと、とにかく掃除や整理整頓が好きじゃないから。
でも家は綺麗じゃないと落ち着かないし嫌だ。部屋の乱れは心の乱れだと思っている。
だから、掃除する頻度や手間を極力少なくするために、モノを持たない、掃除しやすい環境を作っている。

掃除機かけやすい、拭きやすいとストレスが減る。
モノがごちゃごちゃ置いてあると、それをどかして拭き掃除するの大変だから。

「部屋の乱れは心の乱れ」は私の中では真実で、実際自分がイライラしている時は部屋が散らかっていることが多い。
逆に、部屋を整理する、掃除する、断捨離することで、ストレス解消になったり、気持ちが凪いだりすることが経験上わかったので、気持ちのコントロールがしやすくなった。

自分の持ち物の量は心のキャパシティとイコールであると思っている。
つまり私は心のキャパがそんなに広くない。
自分でしっかり把握できる程度の量しか持てないのだ。
そこから溢れる量のモノを持とうとすると途端に心のバランスが崩れる。
あっぷあっぷしてしまう。

それと、お気に入りのモノしか持ちたくない、というこだわりも強い。
お気に入りのものは得てして高価だったりするので、必然的にたくさんの量を購入できなくなる。

「ミニマリスト的生活」をするようになってから、心のバランスが整うようになってきたので、生きやすくなった。
少ない「モノ」を大事にするようになったし、何にどれくらい「お金」を使うのかも明瞭になった。
「モノ」と「お金」に関しては、「無駄」と縁遠い生活だと言える。

「内向型」的生き方

問題は「時間」ですよ。
私は「お金」や「モノ」より圧倒的に「時間」の方が大事だと思っているので、「時間」の使い方はとても重要なことだと思っている。

ずっと生き急ぐように、1分1秒を無駄にしたくないと思っていた。
そういう生き方を無理して実践していた時期もあった。

けど、私は元来、体力もないし、睡眠時間も長い。
本当の自分が望む日々の過ごし方と、生き急ぐような生き方は、乖離しすぎていることに気が付いて、その溝をどのように埋めればいいのか悩み、長い間悶々と悩んだりもした。

世間ではとにかく「たくさん経験している人がエライ」「時間を効率的に有効に使える人がスゴイ」という風潮だし、様々な情報媒体からそういった主張が垂れ流されていて、私も長らく洗脳されていたと思う。
そうしないといけないという呪縛にがんじがらめになっていた。

去年、2018年、39歳にして私は初めて自分が「内向型」の人間だと知った。

体力がないのも、疲れやすいのも、刺激に弱いのも、人混みが苦手なのも、たくさんの人の中に入るのが苦痛なのも、心身の消耗から回復するのに時間がかかるのも、全部私の個人的な性格、性質、特徴によるものだと思っていた。
実際そういう部分もあると思うけど、ほぼ全て「内向型」の特性に当てはまるものばかりで、ピースがぴったりハマった時、私は一人でジタバタもがいていた人生から解放された気がした。

「内向型」は生まれ持った特性だから、基本的に治らないし、変えられないと把握できたおかげで、これらを受け入れ自分に合った生き方をしていけばいいと。

「外向型」的生き方を目指す必要はもうなくなって、疲れた時はゆっくり過ごすことに罪悪感がなくなったし、1日8時間睡眠も当たり前になった。
無理して人と会う約束を詰め込むこともなくなったし、本当に会いたい人、一緒にいて安らぐ人とだけ会うようになった。

仕事を一生懸命したり、外に出て人に会ってエネルギーを消耗した日は、夜ハーブティーを飲みながらボーーっとしたり、好きなご飯を食べながら気持ちが明るくなるドラマを観たり、好きな編み物に没頭したり、お風呂に浸かりながら本を読んだりして過ごす時間を大事にしている。

これを以前の私は「無駄な時間だ」と思っていたし、「もっとできることがあるだろう」とも思っていた。
でも今は違う。
全く無駄だなんて思ってないし、これが私にとって有効な時間の使い方なんだって思っている。

「無駄を愛する」っていうのもいいもんですよ。
もっと自分の幸せの形に貪欲になりたいし。

#エッセイ #コラム #人生 #内向型 #外向型 #ミニマリスト #生き方 #生活  

読んでくださってありがとうございます!少しでも共感してもらえたり、優しい気持ちになってもらえたら嬉しいです。フォローしてもらえると喜びます。