ほんものの傾聴②
最近は社員教育の場や、その他さまざまな場面で
【傾聴】という言葉をよく聞くようになりました。
【きく】という言葉には【聞く】と【聴く】があります。
【傾聴】とは言いますが【傾聞】とはいいません。
【聴く】と【聞く】は違いがありそうです。
【聞く】とはどのように使われるのかというと
「となりの家から子供達の声が聞こえてきた」
「下校の時間になったのか音楽が聞こえてきた」
または【見聞】【伝聞】というように
受動的に聞く、聞こえてくる時に使われます。
それでは【聴く】はどうでしょう。
「好きな音楽を聴く」
「講演会を聴きに行く」等
積極的に耳を傾ける時に使われます。
ですから【傾聴】とは
積極的に耳を傾けて理解しようとよく聴くことだと言えます。
では、積極的に耳を傾けて何を聴くのでしょうか?
カウンセリングだけでなく、
普段の会話でもここが重要なポイントです。
子供との会話、クライアントとの会話、
部下との会話、生徒との会話、
いろんな方と会話をする時、
相手の話のどの部分をどのように聴くのか。
これによって会話の方向が全く変わってきます。
どの内容に着目し、
どの言葉を拾うのか。
どのように受け止めて どのように返すのか。
着目する内容、拾った言葉が何かによって
話の内容も方向性も全く変わってきます。
話の受け止め方や返し方によって 相手の心が上にも向くし下に向くことだってあります。
この言葉の構造をよく理解していれば
相手を喜ばすこと、自信を無くさせることは自由自在です。
【傾聴】と言うとなにやら真心が感じられるような印象を受けますが、
どのような傾聴をするのかによって
もたらされる結果は全くちがったものになります。
ではどうしたらほんものの傾聴と言えるのでしょうか?
それは、何を目的とした【傾聴】なのか
という動機の部分でその傾聴の質が決まります。
見た目にはよくうなづいて話を聴いている姿は一緒です。
でも何を目的にして優しく積極的によく聴いているのかで
現れる結果はまったく違います。
わかりやすいのは詐欺です。
あなたのためにしているという優しい言葉をかけながら
気持ちを汲み取ってくれたり、親切によく話を聴いてくれます。 人柄のいい人にそんなふうに親切にされると ついつい心を許して何でも信じるようになるでしょう。
でも、傾聴は傾聴でも それはほんものの傾聴とは言えませんよね。
知らず知らずのうちにその動機が妬みや嫉妬 またはよく見せようとしたり 逃避や怒りになっていることもありがちです。
ほんものの傾聴は、愛と信頼に基づいたものです。
その対話によって、
相手が成長し、発展できるもの。
愛と勇気が湧いてくるもの。
豊かに幸せになるもの。
そんな結果をもたらしてくれるものが
【ほんものの傾聴】と言えるのではないでしょうか。
誰かと話をする時、 何を目的としているのか 何を動機としているのか、
ちょっと自分の心を見つめてみてください。
その動機が必ず現実の世界に結果となって現れてきます。
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