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THE関西を知る

 まだこんなに寒くなる前、母が奈良に住むイトコに会いに行くというのに便乗して、関西旅行をしてきた。母がイトコと積もる話をしている間、私はひとりで観光することにした。友人とも都合がつかず、観たかった演劇もチケットが取れず、色々調べた結果、コリアンタウン鶴橋に行くことに。目的はまだ見ぬ韓国ラーメンを開拓するため。


昭和感がたまらない


 新大久保とは異なり、なんというかガチ感が強い鶴橋。駅は高架下のためか異世界のような空気。「(異世界の代名詞)きさらぎ駅じゃないよね…?」と少し不安になった。それでも少し歩くと若い子達が同じ方向へ向かっていたので、安心してしれっと着いていく。赤い入口とグレーゾーンなキャラクターの靴下が積み上がったお店がみえてきたときには一気にテンションが上がった。

平日でもすごい混雑


 この先さらに安い店があることなど知る由もなく、テンションが上がりすぎて入口近くの店で早速化粧品を購入。個包装で50円のエチュードハウスの洗顔、150円くらいのメディヒールパックなどなど。数百円で色々なスキンケアを買えるのは韓国みたいで楽しい!これは新たなラーメンに期待できると思っていたが、メインストリート内では気になるラーメンは見つけられなかった。おそらくこれは私が韓国ラーメンを開拓しすぎたせい。鶴橋は何も悪くない。    

 でもまぁせっかく来たのだからこのあたりのスーパーだけでも巡るか、とふらふらしていると少し離れた場所で小さな卸の韓国食材店を発見。自分のお気に入りから、なかなか出会えないもの、初めてのラーメンまで揃っていた。にやにやを抑えることができず、気の向くままカゴに放り込む。地元民レベルでエコバッグはパツンパツンだ。連れがいると決してできない単独行動ならではの買い物旅に満足し、重い荷物を担ぎ、聖地ともいえる次なる目的地へ。

スーパー好きとしては押さえておきたい


 スーパー玉出だ。数年前同僚数人と大阪旅行をした際、どこか行きたいところがあれば教えてくれと聞かれ、スーパー好きの血が騒ぎ迷わず「玉出に寄りたい」と言ったが全員から無視された。同僚の反応は当然だと思うが、その時から「いつか関西に行ったら玉出に」と思っていた。
 中に入ると昭和のパチンコ屋のような電飾が面白く、商品にもよりけりだが、確かに安かった。やはりここは異世界なのか、10月の値上げラッシュは玉出には影響はみられていなかった。値段の安さに興奮し、自宅近くでも買える商品でも底値ならばと次々購入。エコバックはさらに重さを増し、買った商品がはみ出ていて少し恥ずかしい。
 店近くの地べたに座り込む年配男性、店員さんにお客さん…。多くは言わないが、求めていたイメージ通りの大阪がそこにはあった。単なる観光では味わえない、よりディープな関西を観ることができた。その後は、たこ焼きやらイカ焼きやら551やらをふらふらしながらみつけたお店で食し、ホテルに戻った。 

戦利品。我ながらこの量は狂ってると思う。


 その晩、母とイトコのおばちゃんと合流したときに鶴橋に行ってきたことを告げると、おばちゃんはしっかり怪訝そうな顔をしていた。「鶴橋!?なんしにいったん?は?玉出行ってみたかった?何で?」と疑問が止まらない。おばちゃんは大阪育ちの奈良在住。世代的に鶴橋のイメージは昭和で止まっているらしい。その日の行動と鶴橋の様子をつらつらと話すと、鶴橋よりも昼ごはんに食べたイカ焼きを深掘りされ「イカ焼きと言えば阪神百貨店なのによそで食べたのか」と追求され始め、気づくと阪神百貨店の思い出を話し始めていた。
 
 
鶴橋よりもイメージ通りの関西のおばちゃんが目の前におるやん。

話がころころ変わって男に貢いで蒸発した親戚の話してるし。ぐいぐい来るのに話を聞いてくれるので心地が良いし、何より面白かった。これぞ関西、これぞ関西人。ツアーでは味わえない経験ができたなと嬉しかった。
 おばちゃん、今度は九州に遊びに来てね。

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