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グルメではなくいやしいだけ

君が「求められる」存在になればいい。

 これは高校時代からひそかに人生のバイブルにしてきた、とあるベーシストの書籍に載っていたひとこと。高校時代に何度も読んでは励まされていた。年明けに久しぶりに読み返したら、モチベーションを改めて上げてくれた。

 その後「提出しなかったことを後悔をしたくない」と思い、生まれ育った地元の同業他社の採用に応募した。トントン拍子に決まり、あれよあれよと退職・転職・引っ越しとなった。転職先で「求められる存在」であったことが素直に嬉しかった。退職を伝えた際に最後まで引き留めてくれるトップがいた今の職場で嬉しかった。

バタバタでは会ったが、11年ぶりに地元に戻ってきた。職場も自宅も都会になり、実家も徒歩圏内になった。一気に生活が変わる。地元とはいえ毎日が新鮮で目まぐるしい。

 するとどうなるか。

 私の場合、めちゃめちゃ食べてしまった。
厳密にいえば退職を決めてからそれはすでに始まっていた。退職までは「お疲れさま会」と称して毎日のように違う人とランチやら飲み会を繰り返し、退職してからも週末ごとに元の職場近くまで遠征して飲み会へ。そうやって声をかけてくれる仕事仲間に支えてもらいながら仕事をしてたのだなぁと感動しつつ、我ながら本当によく食べた。

 転職先では仕事終わりに「何か食べていこっか」と先輩社員に誘われて食事をする。昼休みはランチ開拓に余念がなく、時々「夜ご飯食べていきぃ」と実家から連絡がくる。帰宅途中のデパ地下などで安くなったお惣菜の誘惑も大きい。
美味しいものが私を求めている。ありがたいことにここでも求められる存在な私。仕方がないよな。

 しかしついに来た年貢の納め時。
 入社前にすべき健康診断をしれっとバックレていたが、先日催促がきた。「身体が仕上がってない」と逃げ回っていたが、腹をくくらねばならない。明日こそ健康診断ができる病院を探さねばならないが、夏先取りの恐怖体験になりそうだ。


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