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社長が定時退社したら売上が3年で2.5倍になった話

弁理士の大倉です。root ipという知財管理スタートアップ企業の代表をしています。3年前に長男が産まれてから、生活スタイルを大きく変えて定時退社を始めました。それまではハードワークしていたので、仕事時間が減ることへの不安もありました。やってみると、売り上げが2.5倍に増えました。2019年度に8000万の売上が、2022年度は2億円に。

会社の成長に伴い情報発信もはじめています。root ipのアピールになればと思い、定時退社して良かった点をまとめてみました。

DXが進んだ

子供が生まれる前、システムのDX化を頑張って進めました。root ipでは社内システムを自社で作っています。定時退社に向けて社内システムを一新し、ルーチンワークを全て自動化しました。これで全員が面倒な手作業から解放され、自分の仕事を自分のペースでできるようになりました。

売上や契約件数などもリアルタイムにグラフ表示するようにしました。会社の状態を見える化したので、私がいてもいなくても、全員が経営状態を把握できるようになりました。

そして、無事に長男が誕生しました。

会社として余裕がでてきた

私は定時のチャイムと同時に帰ります。前から社員は定時退社ですが、私がいち早く帰るのでより帰りやすくなったはずです。有休は全消化で、休日勤務もなしです。保育園の送り迎えや急な通院など、時間休も当日申請でOKです。エンジニアにはどうしても繁忙期がありますが、振替休日で休んでもらう運用です。つまり、今まで以上にホワイトな職場環境づくりに努めました。

各人に時間的な余裕が出てきた結果、会社として不測の事態に強くなりました。基本的に仕事には複数人のチームで対応します。ただ、まれに、チームの誰も対応できない場合があります。本人や家族が体調を崩したり、交通機関が止まったりした場合です。

こんなときも、余裕のある人が「やるよ」と言いやすくなりました。誰かがカバーしてくれる安心感があるためか、社員が定着してくれるようになりました。

2019年7月時点では、私がワンオペし奥さんがサポートするという個人商店のような会社でした。そこから採用を始め、2023年8月の現在まで離職者はいません。組織として安定感がでてきました。

クライアントに安心してもらえるようになった

私がワンオペしている時、そこがネックで契約を保留されるケースがちょくちょくありました。客観的にみて、不安に思われても仕方なかったと思います。

元々口コミでクライアントが広がっていたこともあり、製品には自信がありました。会社組織が安定してくると、ワンオペの懸念が解消され、契約に至るクライアントが自然に増えてきました。

社員の数も増えているので、対応できるクライアントの数も増えてきます。良い循環で、クライアントと売り上げを伸ばすことができていると思います。

アイデアを整理する時間が増えた

私は定時に帰ると、子供と遊んでお風呂に入れて、8時ごろには寝かしつけで横になります。大人の私はさすがに8時だとまだ眠くないので、寝かしつけながら家族や会社のことなど考えています。

経営やプログラミングは、実際に行動を起こす前のアイデア整理が大事です。子供が寝るまで考える時間はたくさんあるので(なかなか寝てくれません!)、翌日には思考が整理された状態で仕事を始めることができるようになりました。

社長は社長の仕事をすべし、という考え方もあります。会社の代表者として、アイデアを整理する時間があることは重要なんだと思います。

まとめ

結果的に、定時退社を始めたことによるデメリットはなく、メリットばかりでした。

私個人にとっては、ハードワーク時代は良い思い出です。2014年に会社を作り、いわゆる「ゼロから1」を作るまではかなり大変で、朝から晩まで休みなく机に向かい、胃が痛くなるような日もありました。

苦労したからこそ得られたものは結構あると思っていて、ふとした瞬間に当時を思い出し、懐かしい気持ちになることがあります。

会社としては、断然今の方が良いと思います。良い流れで成長できているのは幸運なことだと感じています。

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