<第7回> 部活動改革(公立・私立学校の枠を越えて、プロチームと連携事例)


「ラグビー普及へ連携 静岡ブルーレヴズ、静岡聖光学院中・高」

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1045424.html


「静岡ブルーレヴズ、清水南高・中等部 ラグビー普及へ部活動支援」

https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1094194.html?lbl=845 


私が3月末で代表理事を退任しました一般社団法人静岡県ラグビーフットボール協会におけるこだわりの取り組みとして、「部活動における公立私立の枠を越えたプロチームとの連携」がありました。


ラグビー界は日本代表のワールドカップでの活躍のおかげもあり、全国的に小学生世代の競技人口が増加傾向にあります。高校生も年々チームも競技人口も減少していますが、「花園」で実施される全国大会は冬の風物詩として存在感を示しています。


一方で「中学生世代がラグビーをする環境が著しく少ない」という大きな課題があります。

そもそも中体連に加盟しておらず、またラグビーの専門性を持った教員が中学教員に少ないなど、競技人口の構成的には真ん中が凹んだ状態の「ひょうたん型」のようになってしまっています。


静岡県でも中学校でラグビー部がある学校は4校程度という状態です。

このような状態ですので単独の中学校チームとしての活動では困難な面もあり、地元のラグビースクールと連携して大会に出場するなど現場の先生や指導者の方々は創意工夫して頑張っています。


ここで課題を整理しますと、、、


・中体連に加盟していない

・チーム数も競技人口も非常に少ない


となります。

この課題を普通にネガティブに捉えると、どうにもこうにもならないという結論に至ってしまいます。


しかし、逆説的に捉えると以下のように考えることもできると思います。


・中体連に加盟していないので制約がなく、各学校や協会の判断でクラブチームやプロチームとの連携も自由にできる

・チーム数も競技人口も非常に少ないので、承認プロセスも少なく、ステークホルダーを巻き込んだダイナミックかつオリジナルなことが出来る


こういった発想に切り替えました。


そして、同時に社会的な課題である部活動改革にも一つのモデルケースとして、一石を投じられる取り組みにもなればとも思いました。


その際に、自己研鑽の機会が少なかったり、働き方的に厳しい状況である教員を安易に(頼める人がいないから教員にお願いするという発想も然り)担当責任者にするのではなく、生徒のためにも一流の指導者に教えていただく機会を創りたいとも願っていました。


幸運なことに、静岡ブルーレヴズも地域貢献や普及育成を非常に熱心に考えてくださっていたこともあり、初期段階からさまざまな構想をともに練ることが出来ました。


一方で学校サイドは「公立学校で特別な活動を認めてもらう」という高いハードルがありました。


私立学校は決定権者である校長の考え方次第で新しい取り組みもできやすいですが、公立はそうもいかないということは教育行政にさまざまな立場で関わっていた私には深く理解できていました。


しかし、結果的には前述の記事にもありますように、公立学校の清水南の校長先生の卓越したリーダーシップで連携が実現することになりました。


そして、静岡ブルーレヴズからは元日本代表ラガーマンでワールドカップにも出場経験のある久保晃一さんが定期指導にあたっていただけることになりました。


静岡ブルーレヴズ、清水南、静岡聖光、県協会の中学部会のそれぞれの担当者が前例無きチャレンジに対して、使命と責任を持って大きな大きな一歩を踏み出してくれました。


「公立だから、、、」 よく聞く言葉ですが、

私が目の前で見たことは「公立も私立も関係なく、前例なき凄いことができるんだ!」でした。


この取り組みの今後のビジョンや展開について、今の私の立場でこれ以上のことを述べるべきではありません。


熱く素晴らしい方達がこれからどんなチャレンジをしてくれるのか、とても楽しみにしています。

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