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【20】時代の変化に国として個人としてどう対応するべきか『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』安宅和人

映画『シン・ゴジラ』からインスピレーションを受けて名付けられた
知的生産に関する名著『イシューからはじめよ』の著者である安宅さんの新作

新しい時代に突入するなか、日本という国が直面している課題の多さ、深刻さに強い危機感を持っていることが窺える。

一方で、世界が大きく変わることは、同時にチャンスでもあるため、国として、個人としてどのように行動していくべきかを提言する内容となっている。

未来がどうなるかを人に聞くのではなく、自分で創造せよというのがメッセージの1つだ。

これまでは大企業などの既得権益が規模を追い求めることが、富を生み出す方法となっていた。
しかしながら、非連続的な変化に対応するには、未来を創造していることが企業価値や富につながる。
それは必ずしも大企業だけがメインプレイヤーとはならない。

また、「未来=夢×技術×デザイン」という方程式が出てくる。
技術は当然大事であるが、それだけで未来を創ることはできないということだ。

この方程式から、新しい時代に活躍する人材像も導かれる。
みなが同じ方向を求めて競争するのではなく、ニッチな分野でも夢を描き、複数の領域をつないで形をつくることが重要となる。

後半の国家予算の配分や上級教育の問題などは流して読んだが、先に書いたような前半の内容は視座が高く勉強になった。

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