2022生き物調査
平年よりも20日も早く明けてしまった梅雨が、とても暑い期間を経てまた戻ってきている今日この頃。田んぼは中干し期間に入り、倒伏対策のために田面がしっかり乾いてほしいのですが、こうも悪天候があると乾きようがないですね。こういう場合皆さんいつ中干しを止めるのでしょうか?
さて、弊社の稲作は生き物を大切にする目標を掲げているので、その確認のために今年も生物調査を行いました。増えた種類もあれば、減った種類もありましたので、その良し悪しの判断に今も悩んでおります。
生物調査
調査方法に関しては昨年と同じなので興味ある方はこちらを参照してください。
今年は自社の田んぼのみを調査しました。
結果
まず初めに訂正したいことがありまして、2021年の調査結果ですが、『イトトンボのヤゴ』と昨年の記事に書いていた個体はすべて『カゲロウ類』でした。すみません。
こちらが調査結果になります。2年の調査でははっきりしたことはわかりませんが、今年の調査結果のうち、主観ですがなんとなく増加してそうなものは青色で、減少してそうなものは赤色で示しています。
まずカエルですが、トノサマガエルがどえらい数になっていました。昨年たくさん成体になったことに加えて、今年は田んぼの入水期間がさらに長かったことが要因になっていると思います。一方でアマガエルが減少している可能性がありまして、オタマジャクシの期間の生活様式がトノサマガエルのオタマとほぼ一緒なので、大型なトノサマオタマに様々な競争で負けてしまったかもしれません。
続いて水生甲虫類ですが、成体に関してははっきりとした増殖感はない気がしましたが、今年初めて幼虫の姿をいくつか確認できました。幼虫はとても獰猛で自分よりも大きいオタマジャクシなんかも襲って食べるそうなので、このまま増えていって欲しいですね。
次に水生カメムシ類ですが、コオイムシも増えてそうです。ただそれ以外の小型のカメムシ類は減少しているようです。確かにアメンボ類は4、5月頃はたくさんいるのですが、それ以降徐々に減ってくる印象があります。暑くなるせいなのか、はたまた食べられてしまっているのか。
またマツモムシですが、昨年は退避溝にたくさんいたのですが、今年は田植え前にガス抜き目的の落水をしなかったので溝をつくらなかったことが影響しているかもしれません。彼らはある程度水深があり、水草に卵を産み付けるので水生植物が繁茂した空間を好みます。来年は一部だけでもそんなところをつくってあげようかな。
他の生物の減少理由はよくわかりません(特にヒルなんかは)。
調査して思うこと
一つ思うのは、水田をトノサマガエルのオタマジャクシで満たすことが果たして里山の健全な生態系を育むのだろうか、ということです。少なくとも今回の調査で田んぼ内の小型の生物は数が減っているように感じました。農業との両立を図らなければいけない現状、水生生物のためにできることは限られるとは思いますが、何か良い方法を模索していけたらなと思います。
(カエルを入場制限する方法募集中)
おまけ
おわり。