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大正時代の身の上相談を読んで

 もうタイトルを見たときから気になっていました。
 
 普段から人生案内の類いが好きです。こんな風に思う人もいるのだなとか、こんな解決方法もあるのか等、実体験に基づいた悩みと回答は、とても勉強になります。
 
 時代が変われば常識も変わります。私が持つ大正時代のイメージは、男性も女性も「らしさ」を求められたり、出る杭になることを疎まれたりといったものです。
 この本から大正時代の姿を悩みを通すことで感じられるのではと期待しました。
 目次にざっと目を通した時点で、大正も令和も根本の悩みは違わないと思いました。
 読み進めると、接吻ひとつで身が汚れたと悩んでいたり、処女であるかどうか執拗に気にしたりと、さすがに今は少ない悩みかな?と思うものの、男女関係の悩みは令和と違いを感じません。
 仕事の悩みも女の上司(いたのですね!)が嫌だとか、もっと自分に合う仕事がしたいとか、今の感覚でも想像しやすいものが多いです。
 中には、両親がなく、唯一の身内の兄に芸者になれと言われているが声が悪く困っている(悩むべきはそこじゃない!!)なんていうものもありました。
 この本の面白いところは、悩みへの回答と挿し絵に使われる大正時代のものとおぼしき広告です。
 ランラン香水、どんな香りなのでしょう?トミ印のホワイトポート(葡萄の美酒)も味見してみたい。スモカ歯磨きは、まだ健在で驚きました。
 読後、大正時代は遠いようで遠くない気がしています。
 

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