0222②「雨の日の、傘の中のプライベート空間(晴れの日にはできないアレコレ)」
雨だとは、気がつかなかった。
気分を変えねば、と勢いではじめて頼んだタイ料理のテイクアウトを受け取るべく、延々とぐずる娘を抱っこ紐に納め、よいしょと玄関の扉を開いて「あちゃー」と思う。そういえば帰り道、空気がどこか湿っていたっけ。
しかし注文してしまったしなあ…。
そう思って、えいやと傘をさす。時刻は夜7時。 (まもなくお風呂)
大丈夫かなと娘を覗き込むと、びっくりするほどキラキラした瞳で透明なビニール傘に打ち付ける雨粒を見つめている。街灯に照らされて、きらきら。
そうか。
夜の、しかも雨の日のおでかけははじめてだ。
娘にとってはキラキラ光る雨粒も、この雨音も、傘を逃れてすこし飛んでくる雨しぶきも、全部がはじめてなんだなぁ。
そんな事に気がついたら胸がきゅーっとなる。
雨で花粉が気にならない事にも気がついたりする。そっか、雨も悪くない。
「お母さん、きらきらしてるねぇ」と、不思議そうに目を丸めながら私を見上げるご機嫌な娘を、きゅっと抱きしめながら雨の中を歩く。
…
無事料理を受け取り家に戻る。お風呂まであと20分。娘をチェアに座らせて一緒(の目線で)タイ料理を食べてみる。 あー美味しい!
そっか、タイ料理、大好きなのに、産後はじめて食べた気がする。(トムヤムクンヌードルは覗く)ラープ・ガイとトムヤムクン。950円なり。
辛いものを食べて体がポカポカ温まる。娘はなんだかご機嫌。ワンオペお風呂を終え、寝かしつけていたらつい一緒に寝てしまう。
なんだか、からだポカポカ。
こころもちょっとぽかぽかしてくる。
よい、よい。上手に自分のご機嫌を取れたから、今夜は上出来だ。と、自分でいれたほうじ茶ラテを飲みながら結婚式から夫が帰ってくるのをゆるりと待つ。(朝、起こさないでこっそりゴミ捨てておいてくれる優しい夫である。どこまでも楽しい夜でありますように)
……
タイトルは、小沢健二の曲を「雨の日の、傘の中のプライベート空間(晴れの日にはできないアレコレ)」と評した満島ひかりがたまらなく好きで、そこからとってみたりして。 (iTunesのTokyo,Music&Usという番組)
2が並ぶ日だから、つい2回目の投稿。
浮き沈みあるのもまた人生だ、にゃあ。
もうすぐ春ですね。
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