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0325/さくらがほころぶ

桜が咲いて、すこしだけ空気がほころぶ。
娘は私の腕の中ではよく眠るので、最近は漫画を片手に従えて、そのまま寝かし続ける。だいたい1〜2冊読んだどころで娘は目を覚ます。
目が覚めても腕の中だと気がつくと満足気に微笑むので、その表情が見たくて(というのは建前で、ホントのことを言えば漫画をゆっくり読み進めたくて)ちょっと重いけれど、そのまま。

曽田正人さんの「昴」を読み切って、いま続編の「MOON」を読んでいる。左ききのエレンのかっぴーさんが影響受けた漫画として挙げていて気になっていたのでフリマアプリで安く大人買い。おもしろくてハマっている。

「天才」の話。

鼻血が出そうなくらいに集中する瞬間って時々たしかに起こる。でも、最近、ないなあ。何もかもかなぐり捨てて欲情する「集中」を目の当たりにして(漫画の中で)囚人のように羨ましがる。自由なのにな。

東京オリンピックが延期になって、何だか風向きが一気に変わりそうでドキドキしている。先週末どさくさに紛れてこっそりお花見しといて、よかった。でも、そろそろ、危険かもしれないなあと本能的に感じる。どうなるコロナ。

兎にも角にも娘を守らなくては。
パニックになる前に、出来る限り備えよう。

万が一私がすでに感染していたら、と想定する。地元の(地域の)おじいちゃんおばあちゃんを守るためにも、実家には、この春、とりあえず帰れない。粛々と過ごそう。

………
このあいだ、私が大学2年の春に自殺した地元の友人が夢に出てきた。小中高と一緒で、高校はずっと一緒に通学していて、私が孤独に戦ってるモードだった浪人生時代のセンター試験の日を覚えていてくれて応援のために手の込んだデコレーションメールを送ってくれた、英語が好きだった優しい彼女。
夢の中でその子は、当たり前のように歳を重ねていて白髪なんかも生えていた。でもその夢の中でも心を病んでいて、何とかできないかアプローチしているそんな夢だった。

当時は、はじめて感じた舞台での興奮に舞い上がっていた春だった。生きることが素晴らしく思えて無敵な気分。そこで彼女の死。
彼女が人知れず悩んでいたことなんてこれっぽっちも気が付かなくて、死んでしまったことに何故だか勝手に怒りを覚えて、それからずっと、メンタルヘルスの問題や自殺の問題が心の中でぐるぐるあった。卒論もそれで書いた。怒るなんてお門違いだったことに、それでやっと気が付けた。

お葬式の時、嫌いだった小学校高学年の頃の担任が来ていて「お前たちがいたのに何でこうなったんだ!」と、私と親友に向けてキレてきたことを覚えている。あれに対しては、怒るべきだったな。やっぱり、あの人は、嫌いだ。

人生って何だろな。
お葬式以来、お墓参りに行ってない。もしかしたら寂しいのかな。この騒ぎが落ち着いて、今度実家に帰ったら、娘を預かってもらってお墓参りに行こうと思い立つ、春。

ここまで書いてもなお腕の中で眠る娘の頬は、よだれでほんのり紅く染まっている。

#日記 #コラム #エッセイ #春 #ちあきろく #育児 #子育て



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