0902/世界一幸せな洗濯だなんて、

なにを大袈裟な、と思っていた。
Instagramで #世界一幸せな洗濯 と調べるとキラキラした赤ちゃん服がずらりと並んだ投稿がダーっと出てくる。「水通し」という赤ちゃんのためのはじめての洗濯(糊とかを落とすため)のことを指すのだけれど、妊娠当初、友人から聞いたときは「何それw」と思っていた。(斜に構えすぎていることを反省した方がいい)

昨日・今日と天気が良いので、慌てて洗濯機を大掃除して、ちょっとずつ洗ってみた。

へにゃっとした、いつもよりも圧倒的に面積の少ない布を持ち上げる。「うわ、ちっさ…」思わずにやける。子供用ハンガーを用意し忘れたので、大人用のにかけてみたらハンガーの端っこが袖からちょこんと出てしまう。うわあ。

これは、これはたしかに「世界一幸せな洗濯」って言ってしまいたくなるかもしれない。この言葉を思いついた人、相当幸せな気持ちだったんだろう。それにしても、なんてぴったりなコピーなんだ。一つの作業に言葉をのっけるだけで、ちいさなワクワクが生まれる。すてきだ。

ちぃさい、本当にちぃさい肌着たち。
干しながらドキドキしてしまう。

もうすぐ、これの中にすっぽり入るちぃさい人がやってくるんだなあという実感が、そのちぃさい服のはしをつまむときにじわじわ指先からやってくる。なんだか、むずむずする。

はやくあいたい気持ちが、むずむず。

(でも引っ越しあるし、9月はお腹の中でどうにか踏ん張っていただきたい気もしている)

準備万端!となかなか言えずごめんよ娘。
でも出てきちゃったら出てきちゃった時で、何とか、するから!(言い訳も一緒に付け加える)

……

さくらももこの「そういうふうにできている」を古本屋で見つけて読みなおしてみる。小学生の時、父のおっきな本棚から抜き取って片っ端からさくらももこのエッセイを読んでいた。これは、妊娠出産について。

「そういうふうにできている」って言葉も
なんだかいい。とてもいい。


産まれてきた息子に対してさくらももこが
「あんた、なんの縁があって私のお腹から出てきたのかね?」と一番最初に聞く。
赤ン坊の顔を見ながら「どう考えてもジャニーズ事務所とは関係のない人生になるであろう」なんて冷静に分析していたりする。初対面の夜の大感動が訪れるのを待ってみるも、訪れない。冷静なさくらももこの様子に、どこか、安心する。

“どうせまもなく嫌でもこの小さな人間に私は心を奪われるのだ。私の時間も愛情も労力も大量にこの小さい人間は独占するのだろう。赤ン坊とは、そういうふうにできているのだ。”

「そういうふうにできている」んだろう。

なんて思いながらぐりゅぐりゅとうごめくお腹を触る。(アブトロニックとかって、こんな感じだろうか)今日も、元気そうで、何より。


#妊娠 #妊婦 #日記 #コラム #エッセイ #ちあきろく #34週目 #そういうふうにできている


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