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長尾ちえみさんインタビュー【クリエイター図鑑Vol.3】

あきかふぇ CREATORS' LAB. / 秋コレ

長尾ちえみさんインタビュー　―――――

秋葉原のどこかで喫茶店を営む、リサ・ナナの２人がインタビューしていく『あきかふぇクリエイター図鑑』第2回！
今回は、avexプロデュース『まりなす』、にじさんじ所属VTuber 『ドーラ』オリジナル楽曲楽曲の作詞担当他…、歌唱、作詞、バックダンサー、ライブ出演等幅広く活躍する、長尾ちえみさんにインタビュー！

こちらのインタビューは、秋葉原を中心に配布しているフリーペーパー秋コレ55号紙面記事として掲載しています。通販もございます！！


フリーペーパー秋コレ55号

💟長尾ちえみさんのお仕事は…？

リサ：ちえみさんの、今の具体的な活動内容を教えてください。

長尾：ソロやバンドでオリジナル曲やアニソンのカバーを演奏するLIVEに出演したり、YouTubeに歌ってみたや、オリジナル曲のMusic Videoをアップしたりしています。

ナナ：ライブイベントでのパワフルなイメージがあるにゃ！他にはどんなお仕事をしてるにゃ？

長尾：（LIVE以外のクリエイティブな面では、）頂いた依頼に沿って作詞をしたり歌唱をしたりしています。
作詞をして提供したものは勿論ですが、そうでは無い曲でもディレクションと言って、歌い回しだったり音程やリズムのサポートをする人として、レコーディングに立ち会って、アーティストの方にアドバイスをさせて頂いたりしています。

リサ：アーティストさんを支える大切なお仕事をされているのね。

💟秋葉原の思い出

ナナ：昔は、秋葉原をメインで活動していたって本当にゃ？

長尾：上京したばかりの時、2011年に秋葉原トリオンプさんで開催した１日メイド喫茶イベントに誘われて、歌ったりお給仕しました。恐らく、皆さんご存知の秋コレの秋葉るきさんにお誘い頂いたイベントでした！

ナナ：メイドさんになったのにゃ～！すごいにゃ！

長尾：他にもホームのようにお世話になっているライブハウスさんが秋葉原にあったり……。オリジナル曲がない時代は、コスプレしてヲタ芸を教えて、アニソンを歌って…というような感じでした(笑)

リサ：地道な活動をしていたのね…！

長尾：秋葉原とアニソン、コスプレ、東方アレンジなどの全てが繋がって台湾や中国のLIVEにも呼んで頂いたり…。アニメやゲームの日本カルチャー、秋葉原を軸にとても良い経験をさせていただいてます。

💟作詞の仕事が始まったきっかけ

ナナ：そこから、作詞の仕事をするようになったきっかけが知りたいにゃ。

長尾：きっかけとしては、（コミケとかでよく目にするかなと思うのですが、）ゲームミュージックの二次創作で東方アレンジという界隈がありまして。そこで活動されているサークルさんに、作詞と歌唱の依頼を受けたのが始まりです。
依頼を受けることになったのは、先程お話した台湾のLIVEの動画が、現地に居た全然知らないかたが勝手にYouTubeに上げていたのですけれども(笑)

リサ：すごいご縁ですね。

長尾：私が桜ミクのコスプレをして千本桜を歌っていた動画だったのですが、それを見つけてくださってご縁が出来たんです。なので、その人には本当に感謝ですね。

ナナ：印象的なライブ映像だにゃ！

長尾：話が脱線しましたが作詞のことに戻ると、自分で作っていた楽曲はほとんどメロディーと詞が同時制作だったので、人が作ったメロディーに詞をつけるのはドキドキしましたね。
初めは私が作ったので本当にいいのかな？という、不安もありましたが、定期的に引き受けていたら、いつの間にか作詞するのも当たり前になり、作詞できる人みたいになっていました。(笑)
毎回楽曲と自分と向き合って完成させて、これはよく出来たな！って自分でも納得出来る作品を作ることの積み重ねで、今の自分があるんだなと思います。

💟普段のお仕事は？

ナナ：ちえみさんは音楽関係のお仕事が本業にゃ？他にもお仕事はしてるのかにゃ？

リサ：普段はどんなお仕事をしているのか聞きたいわ。

長尾：音楽活動のお仕事としてはJASRACにも作詞家として登録され、私を信頼して頼ったり任せてくださる方がいて、音楽でお金を頂けていることや、マイペースなLIVE活動でも足を運んで聴きにいらしてくださる方や応援してくださる方がいることを、すごく幸せに思っています。あとは年に数回ですが、音楽仲間のジャケット制作も手掛けさせていただいてます。

ナナ：イラストデザインもできるなんて…マルチな方だにゃ～！

長尾：自分の中では音楽が本業！とは思っていますが、普段の生活を賄っているのは一般のお仕事ですね。

リサ：いろんな働き方があるものね。

長尾：あんまり大声で言えませんがちょっと特殊な仕事をしています。(笑)
基本的には社長秘書業務ですが、Web制作、企画、営業、撮影、SNS運用、幅広く自分に出来ることを増やして何でもやっています。
いろんな経験が詰めるので、自分の視野や器、人間力を広げるのにすごくありがたい環境だと思ってます。

ナナ：いろいろな事にチャレンジしてるにゃ！前向きで素敵だにゃ～！

💟バーチャルアーティストとの仕事のきっかけ

リサ：バーチャルアーティスト"まりなす"さんなどの作詞等のエピソードをお伺いできますか？

長尾：Eurobeat Unionという制作集団に所属の作曲家 M.O.Rさん （代表作は アニメ『パリピ孔明』の「チキチキバンバン」を編曲等。）に、まりなすさんとのご縁をいただきました。
いつもEurobeat Unionさんでは、作詞や歌唱をさせていただいている「EUROBAKA ICHIDAI」というコンピレーションアルバムのシリーズがありまして。私はVOL.3から最新（※1）のVOL.26まで参加しているのですが、そちらで築いた関係の延長で任せてくださった感じですね。

長尾：今まで一緒に何曲も作品を作り上げてきているので、意思疎通がしやすいというのは恐らくありますね。

ナナ：長い間制作に関わっている相手や、他の作品も作りたい！と思える存在って大事にゃ。

長尾：私がジャンルに囚われず幅広く音楽を聴いていて、それこそアニソンのような展開の多い楽曲が大好きなので、その影響を受けて色んなテイストの歌詞を書くのも理解して下さっていて。それでお話を頂けたのだと思います。

リサ：ちえみさんは、にじさんじプロジェクトV Tuberの楽曲の作詞もご担当されていますよね。

長尾：はい。にじさんじのドーラ様のオリジナル楽曲「FiRE TAiLE」も、まりなすとの振り付けコラボのこともあり、お話をいただきました。
カッコよかったりちょっとセクシーな歌詞を書くのも得意なので、歌詞の内容のオーダーにも合致していると思っていただけたのかなと思っています。

ナナ：まさにちえみさんの得意分野にゃ！

長尾：これを頼むならこの人だな！と、思い出して頂けるっていうのは、有難い事だなと思いますね。

※1　インタビュー当時

💟アーティスト活動で大変だったこと

ナナ：ちえみさんは他のお仕事も同時にしながらアーティスト活動をしてるけど、そのなかで大変だったことはあるかにゃ？

長尾：アルバイトから正社員になってからは、やはり平日のライブが減ったり、打ち合わせなどをする機会も時間帯が限られてしまうことが始めはもどかしかったですね。
ただ、私が音楽活動をしていることに理解のある会社なので、そこにすごく救われてます。早上がりして平日のライブに出ることもありますし。

ナナ：やっぱり大変だにゃ…！

長尾：あと、商業の作詞って時間がないんですよ。１、２日くらいで初稿を提出しないといけなかったり。そうなると夜の時間だけでは間に合わなくて…お休みをいただいて作詞に費やしたり…！レコーディングのディレクションに行くのも平日の時は休ませていただきました。ここだけ話すとめっちゃ休んでる人みたいですが笑

リサ：とても理解のある会社なのね！

長尾：作詞や仮歌、ディレクション…どれも裏での活動はすごく地味なものだし、納期も短くてすごくシビアで大変ですね。商業だと勿論自由に書くものとは違うのでプレッシャーもあります。
完成しても、実際にリリースされてクレジットを見るまでは公表もできなくて、かなりもどかしい思いを実際しているところもあります。でも、それが普通の世界なんですよ。クレジットされなくて流れちゃってるものもありますし。

ナナ：厳しい世界なんだにゃ……

長尾：でも、それを分かっているからこそ、皆さんに楽曲が届いたり、しっかりと報告できたときにとてもやり甲斐を感じます。
もちろん、レコーディングの際にアーティストさんが気に入ってくださった時も、同じようなとても嬉しい気持ちになります！

リサ：大変な面もあるけれど、やりがいのある素敵なお仕事なんですね！

ナナ：とっても素敵だにゃ！

💟歌詞ができるまでの流れ

リサ：今度は、具体的にどんな風に楽曲ができていくのか知りたいわ。

長尾：まず、依頼が来る時に、「こういう内容のものを書いてもらうことになります」っていう文書が一番初めに来るので、いただいたイメージの物事について等々、事前にリサーチしたり想像を膨らませておいて、言葉を集めておく準備をします。

ナナ：リサーチ！やっぱり、クリエイターにとっては欠かせない工程なんだにゃ～

長尾：実際に楽曲とメロディーが来た時に、事前に考えていた伝えたいことが入れられない場合も結構多いのですが、バチっとハマった時は嬉しかったりします。
（歌詞の）作り始めは、準備していた言葉とメロディを聞いて、浮かんだ言葉がごちゃごちゃになってます。その状態から、世界観や１曲の中のストーリーの着地地点である１番伝えたいことが見えてくるので、そこに向かって綺麗になるようにまとめていきます。なるべくどの言葉にも意味を持たせたくて詰めこみがちなのですが（笑）

リサ：パズルみたいな感覚なのね！

長尾：その後、仮歌を録音して、歌詞と一緒に依頼者へ送ります。このままOKの場合もありますが、２、３箇所くらいとかブラッシュアップで変更したいポイントが来て修正したり。
そんな感じで、ブラッシュアップでは先方の意見や作曲家さんの意見も取り入れて最終的に作品を固めていってますね。

ナナ：コミュニケーションが重要なお仕事だにゃ！

💟これからクリエイターを目指す人たちへ

ナナ：そろそろインタビューも終わりの時間にゃ～。
今日はたくさんお話が聞けて嬉しかったにゃ！

リサ：最後に、音楽でプロの仕事をしたい人や目指したい人などなど…これからのクリエイター達への応援メッセージをお願いします。

長尾：自分の技術を磨いていく向上心はもちろんですが、運といっても、それって人とのご縁が運んできたり繋いでくるものじゃないですか。
なので、まずは周りの人との信頼関係を築くことですかね。約束を守るとか、返信が早いとか。真面目な深い話ができるとか。要らないことを言わないとか。

ナナ：当たり前のことに思えて、案外振り返るとできてないかも…ってことあるかもにゃ。

長尾：あとは、守秘義務をしっかりと守る。これも信頼と同じことですが、VTuberの方の情報であれば、それこそ中の人の情報が出ないように守るであったり……。リリースや公開がされていないのにひけらかさないとか。
当たり前のことなのですが、その"当たり前の水準"が高くないとプロの世界では成り立っていかないと思っています。
あとは、いきなり大きな仕事じゃなくて、下積み期間がみなさんあると思います。そこで能力を買われて抜擢されたりするものだと思いますので。大きな仕事に繋げるために、小さな仕事も手を抜かずに自分の全力で取り組んだり、向き合うことが大事だと思っています。

リサ：何事も地道に取り組むことが大事ってことね！

長尾：今日、明日で変えられることではありませんがコツコツと。クリエイティブな技術、円滑な人付き合いなど、人間力を磨いていきましょう！
引き続き私も精進していきたいと思います。

ナナ：素敵なメッセージありがとにゃ！

リサ：本日はインタビューありがとうございました！

💟長尾ちえみ　プロフィール

長尾ちえみ

広島県出身。シンガーソングライター、メジャー作詞家。 デザインやバックダンサーなど。

作詞
avexプロデュース バーチャルダンス＆ボーカルユニット『まりなす』のデビュー曲「JUST IN MY HEART」作詞を担当し、メジャー作詞家デビューを果たす。
『まりなす』2ndアルバム「MRNS」（2023年9月30日発売）内、「ブランニュー！」「一蓮托生」「デュナミス」作詞担当
にじさんじプロジェクトV Tuber ドーラ「FiRE TAiLE」作詞担当　他

歌唱
お台場のJOYPOLICE（ハーフパイプトーキョー）、maimai / SEGA（アーケードゲーム） 収録楽曲「曖昧mind」を歌唱。
 
秋葉原で行われた楽曲争奪ライブにて入賞。プリズム・プリンセス（ぱじゃまソフト）メインヒロイン"プリム"キャラクターソング歌唱。

バックダンサー
「TSUKIPRO LIVE 2017 ~After Valentine~ 」水瀬いのり、島﨑信長、今井麻美、石上静香、他
声優のライブにて、バックダンサーを担当。

デザイン
門西恋、全国メジャーデビューCD｢8-hanko-5｣のデザイン担当。

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💟長尾ちえみ　最新情報

ナナ：新しいMVがYouTubeにアップロードされてるにゃ！

リサ：ちえみさんの楽曲はサブスク配信もしているので、まだ聞いたことのないかたはぜひ聴いてみて♪


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