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サッカークラブにおける経理財務

先日、アルビレックス新潟バルセロナの生徒向けにサッカークラブの経理財務についてお話させていただきました。

良い機会なので、サッカークラブの経理財務について、上記の講演で使った資料も交えつつ、少しお話したいと思います。

そもそも経理財務ってなんぞや?

経理財務を経験していない人にとっては、そもそもなんぞや?って人が多いと思います。特に今回の講演では、社会で働く前の若者たちにお話したので、まずはそこの理解から説明しました。

簡単に言ってしまえば、経理は過去の活動記録で、財務はお金の管理になります。そして、究極的には会社=法人の家計簿です。単なる家計簿。複式簿記とか、会計基準とか、税法とかで小難しくしているのが経理財務ってやつです。
会社も法的な「人」として法律上定義されるということで、人は生きていくうえで生産・消費を行います。法人も同じで、必ずすべての行動にお金が絡んでくるので、その動きを記録する、お金を管理する、というのが経理財務になります。

サッカークラブにおける経理財務

その前提に立って、私は大きく分けて3つを意識しています。

1.売上・費用・利益
2.キャッシュフロー
3・資産・負債・純資産

それぞれは別々に考えるべきであり、そしてそれぞれは関連しています。一つ重要なのは、まずは「大きく」把握すること。大きく把握すると、「これの内訳なんだろ?」ってなるので、分析的に細かい項目を知りたくなるので、そこで初めて「細かく」見に行けば良い、という感じです。

そして、そういう見方ができるようになると、経理財務分析は非常に楽になります。まずは、全体の数字>その内訳>個別の会社の状況、というようにブレークダウンしていくことによって、理解を深めていくことができます。

どうやってアトレティコマドリードはジョアン・フェリックスを獲得したのか?みたいなことも、見えてくるようになります。

サッカークラブにおける経理財務に必要なマインド

私が強調したい「サッカークラブにおける経理財務に必要なマインド」は、

・攻めと守りのバランス感覚
・スポーツビジネスの知識・理解
・高い実務能力
・高い倫理観

です。サッカーのポジションでいうと、ボランチ(ディフェンシブ ミッドフィルダー)。必要なところに、必要なお金を供給しつつ、常にカウンター対策のリスク管理も行い、会社全体を見渡しフィールド全体を把握する。もしくは、ビルドアップできる現代的センターバック。ボランチ的な経理財務はより攻撃的で、センターバック的な経理財務はより守備的なイメージです(伝わらないでしょう(笑))。

特に強調したいのは「高い倫理観」です。

上場もしておらず、高度な統制を求められないサッカークラブにおいて、お金を扱う人間に必要なのはまさに倫理です。
日本でもいくつかのクラブで経理による横領が発覚したこともあります。また、経営破綻や放漫経営によるクラブ破綻も起きています。ここを食い止め、リスクを最小限に抑えられるのは経理財務の人間であります。

安定経営の難しいサッカークラブにおいて、少しでも油断すれば、すぐに資金ショート、債務超過が起きかねないなか、その絶妙な舵取りが必要になります。そこには、高度な会計知識や財務テクニックというよりは、高い倫理観と高い実務能力に裏打ちされた、堅実なオペレーション処理が重要な要素であると考えています。

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