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肩書きはもういらない。”わたしたち”として生きていく。【2022年漢字一字】

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

 毎年一年を振り返る漢字一字を選び、つらつら語っています。今年は子供が産まれて初めての1年でした。年末年始は去る年を振り返る余裕もなく慌ただしく過ごしていました。三が日も明けようやく落ち着きを取り戻し、子供が生まれて初の”お休み”をいただいて、東京で一人時間を満喫しながらテキストを書いています。

2022年の漢字は“初”

よく食べ、よく遊び、よく眠る。パーフェクト1歳児。

 2022年、これほどまでに“初めて”という言葉を発した年はなかったように思います。「今日初めて立った!」「初めて“かんぱーい”した!」「初めて熱出した!」、ベビーの毎日は初めての連続で、初めて見る世界に目をキラキラとさせながら、日々身の危険も顧みず勇猛果敢に挑戦し続ける姿は本当に尊敬に値します。と同時に、こちらも負けていられないと、私なりにも自分負荷をかけてでも“初めて”に意識的に取り組んだ2022年でした。

”わたし”よりも”わたしたち”

4月のソトイク・プロジェクトのイベントにて。
昨年は長野銀行さんとのコラボもあり、盛りだくさんでした。

 子供ができて、一番変わったことは“じぶんごと”が広くなったことだと感じています。元々、政治や社会問題、世界のどんな不幸な話にもあまり関心のない、わりと自己中人間だった私ですが、子供ができてこれが大きく変わりました。この一年、“わたしたち”を主語に物事を考えることが本当に多くなったのです。
 昨年はちょうど、私の住む塩尻市で市長選挙があり、また縁あって塩尻市の「都市計画マスタープラン策定委員」なるものを務めさせていただくことになったりと、地域の未来について考える機会が多くありました。市長選の候補者討論会に参加したり、市民の議論の場に参加してみたり、まだまだインプットすることの方が多いですが、考える機会を多く得ることができました。
 こうした場で私が“わたしたち”と発言する時には、「移住者」であったり、「子育て世帯」、「自営業者」、「〇〇地区住人」などを(僭越ながら)代表することになります。そのため地域のことを考え意見を述べる時、私は同時に自分自身のアイデンティティや経歴、未来について見つめ直す必要がでてきます。地域のことを考えることは、私自身のことを考えることとイコールになっているのだと認識し始めた一年でした。地域での仕事に力を入れていきたいと考えるようになったのもこのためです。

 塩尻市の個人商店が集まって「まちゼミ」を開催する「シリゼミの会」では、事務局としてサポートをさせていただいています。地域商店街の前向きな取り組みに、少しでも力になれればと関わり始めましたが、実際は地域の歴史や商いについて教えていただくことの方が多く、自分にとっても刺激になっています。また、年始から運営メンバーとしてジョインし始めた「ソトイク・プロジェクト」では、「わたしらしく子育てできるまちづくり」をテーマに、育児者が社会から孤立しない街やコミュニティを模索しています。ここでも、育児者のためといいながらも私自身も当事者として課題意識をもって取り組ませていただいています。また、小さいながらも事業化していくプロセスは自分一人では決してできないものですし、現在のメンバーである3人で取り組めていることは自分にとり、これから育てていきたい大切な活動の一つです。

 また、会社事務所を置いているシビックイノベーション拠点スナバを介して、地域でのものづくりに関われたことも私にとって大きな喜びでした。南松本に夏にオープンしたsweets & story IKUEでは「店舗ディスプレイ」を、新たな塩尻の地ビールであるナイアガラホッププロジェクトでは「ライター」として、ごく微力ながらお仕事させていただきました。どちらも私にとってあまり実績のある仕事ではないにも関わらず、公私共にお世話になりまくっている友人たちから声をかけていただき、プロジェクトに関われたことは本当に感謝ですし、これからもなんでもできることはやっていきたいと思っている所存です。

肩書きはもういらない。”わたしたち”として生きていく。

ヤッテミレバキャンプのみんなで。すごく背中を押してもらえた時間でした。

 ずいぶんと長い間、私は自分の“肩書き”を探していました。例えば初めましての自己紹介で語る「〇〇をしている湯浅です。」。この〇〇が何なのか、ずっと探して見つからず肩書きのための仕事を探したりもしました。(実績さえあれば、それが肩書きとなるというのも一理あると思います。)
 “遅れてきた自分探し”のために参加した「小商いヤッテミレバキャンプ」は私の考えにおおきく変化を与えました。この連続講座をきっかけに、私は私が大切にしたい生き方に気づくことができました。この講座でつくった“ユメミチシート”(自分の理想の3年後の姿を描き出したもの)には、仕事として肩書きとしてイメージしたものとは全く別の自分の姿が浮かび上がっていました。そこに書かれたのはこんな言葉たちでした。

ユメミチシート

・“遊び暮らし”のプロフェッショナル
・自由に生き方暮らし方を選べる世の中に
・四季と旬を感じる暮らし
・遊びを生み出しパーティだ!
・表現者として

 当時、食の仕事がしたい、ライターになりたい、デザイナーになりたい、など色々なことを模索していた私でしたが、書き出してみると、そんな言葉はひとつもなく…笑。ここではっきりしたことは、自分自身の暮らし自体を私の仕事にしていきたい、という想いでした。
 そんな想いから今年新たに取り組み始めたのが、「ゆあさけチャンネル」での編集動画の配信でした。元々2年前から「半径500mのご近所さんと遊ぶ」をコンセプトにはじめたライブ配信チャンネルでしたが、「長野県で遊び暮らす移住者家族」をテーマに編集動画をあげるようになりました。動画編集はずぶの素人で、ひとつひとつ調べながら何とか最低限の形にはなるようになりました。(まだまだダサダサだけど…)千人塚キャンプ場で当時8ヶ月の息子とSUP体験をしたり、塩尻の人気坦々麺家で激辛チャレンジしてみたり。動画をきっかけに出会えたり、体験できたこともあり、これは今年も力を入れていきたいところです。(チャンネル登録よろしくお願いします!)

ゆあさけチャンネルでは長野移住家族のゆあさけが、
県内での楽しみや暮らしの様子を配信しています。

 話は飛びましたが、ここでもやはり、“ゆあさけ”として私は“わたしたち”を主語にして語ることを始めました。
 地域の仕事をしたり、“ゆあさけ”が仕事になったり…もしかしたら、私を語る“肩書き”などのいうものはそもそも必要ないのではないか?と徐々に思うようになりました。(本当に最近のことだけど。)かっこつけた言い方をすれば、「ゆあさ あき」そのものが私の仕事であり、肩書きなのではないか。それでよくないか?と思うようになりました。
私は、私の愛する様々な“わたしたち”のために、全力を尽くしていきたい。常に“わたしたち”を主語として生きていくことが目下私の“肩書き”らしきものなのではないかと思うこの頃。

2023年のテーマは”自由”!

 さて、これを書いている1月7日現在。子供が生まれて初めて“一人時間”を満喫するため、お休みいただいて東京に遊びにやってきました。昨年はちょっと詰め込みすぎたなぁ…という感想で、子育ても仕事もこうありたい、こうあるべきというのを自分の中で固めすぎてとらわれていたような気がしています。今年は“遊び”や“余裕”も持って暮らしていきたい。特に地域での仕事に集中して、自分のペースで暮らしていく、そんな”自由”をテーマにした暮らしが作れればと思っています。

 本年も“面白ろ、おかしく、美しく”。
 いつも支えていただいている皆様に大きな感謝と共に、今年もよろしくお願いいたします。
 

湯浅亜木


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