見出し画像

【詩】理解

いいのよぉ、他人の目なんて気にしないの
ほら、ママも大好きなブルーレンジャーと同じコレなんていいんじゃない?
いいから背負ってみなさいよ、試しにほら
わぁー、やっぱり似合ってる
え?ピンクがいいって?

つまらない子ね

よしなさい
ブルー、好きじゃなかったの?
だったら自分に正直になりなさい
もうそんな時代じゃないんだから
はい、決まり、これにしましょう


諦めた女の子はうつむいて会計台まで母親の後をついていった
一度振り返ってピンクのランドセルを充血した目で見つめていた

現代の風潮を押し付けたその女の子の母親は満足気だった

つまらない子ね

女の子がピンクを好きではつまらないと
女の子の母親は女の子を別の型に力づくではめた

男の子がピンクを身につけたら自分をもってて偉いと褒められた
ブルーを選ぶと周りの目なんか気にするなと残念がられた

こどもたちはそうじゃない理由を押し付けられた

その女の子はただピンクが好きだった
ピンクのランドセルが欲しかった

何ヶ月か後にあの女の子が笑って
いってきますと登校できることを願った

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?