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徒然なるままに、子ザル。

最近、寝る前になると子ザルが私の部屋にやって来る。「腰が痛い~」「肩甲骨が痛い~」と騒いで、私にマッサージしろと言う。アンダー15のくせに既に肩や腰が凝るなんて、お気の毒だ。こちらは一日働いて家事もやっと終えて、ゆっくりしたいと思っているのに、「楽しい時間じゃろ?(方言)」とジャイアンばりの発言を繰り出してくる。一体誰に似たのか…。

子ザルはよく「これは朝?」「これは夜?」と聞いてくることがある。「何が朝で、何が夜だって?」と聞き返すと、どうやら「早起きした朝に聞きたい洋楽」だとか「明日への活力を感じて眠りにつく音楽」といったマイレコメンド曲集を作成しているらしく、自分が選んだ曲なのに朝なのか夜なのかが分からなくなるらしい。お気の毒だ。だいたい、こちらが忙しくしているか、マッタリしているタイミングで聞いてくるから、適当に返事をすると文句を言ってくるが、そもそも自分の感性で作るものなのだから、「自分で決めなされ」と言うしかない。

子ザルはじっとしていない。K-POPだか洋楽だか、流行りの曲だかマニアックな曲だかをかけながら、よく踊っている。最初は手始めにTWICEのハッピーのダンスを見よう見まねでコピーしていたが、どうみても阿波踊りにしか見えなかったため正直にそれを伝えると憤慨していた。だが、めげずに踊り続けた甲斐があったのか、今は結構キレがあってうまいと思う。そして、何も音楽をかけていないときでも踊っている。食事中も小刻みに首や肩を揺らしている。その動きが視界に入ってくると、こちらは非常に疲労する。見まいとしても、勝手に動きが目に入ってきてしまうから、迷惑な話だ。子ザルにそれを伝えると、「仕方ないわぁね(方言)。」と返される。何が仕方ないのかが分からない…。

子ザルは田舎を愛してやまないらしい。将来は田舎暮らしをしたいと言っている。今も十分な田舎に住んでいるが、それでは物足りないらしい。ちょっとだけ離れて暮らす祖父母の住む場所が、子ザルの幼少時代の楽しかった思い出がたっぷり詰まった土地だからか、「将来はあの家に住む」と権利もないのになぜか宣言している。その田舎愛のせいで、子ザルはストレスが溜まるとYouTubeで「夏のひぐらしの音」「春のウグイスの声」などを強制的に流してくる。真冬にひぐらしの声を聴かされると、さらに涼しくなるような気持になるのは何故だろう。夏の音なのに…。せめてアブラゼミにして欲しかった。


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