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連載エッセイ「弱い自分」第18回「ボーイスカウトでいじめを受けた人間」

デイケアの話をしているがふとあることを書きたくなったので時代を小学・中学時代に戻ってボーイスカウトの話をしたいと思う。

自分がボーイスカウトに入ったのは親の勧めである。
たまたま近所でボーイスカウトの体験会をやっていて、それに自分は参加した。
体験会で楽しかったので正式に入ろうと思い、数週間後にボーイスカウトに入った。

この時は小学校4年生だったため、カブスカウトとして活動した自分は、自然を体験したり、夏になるとキャンプに行ったり、スーパーの前で歳末助け合い募金を呼び掛けたりとそれなりに楽しかった。今考えると真面目な性格になったのはカブスカウトの経験があったからだと思っている。

小学6年生からはボーイスカウトに昇進した。ボーイスカウトにはちゃんとルールを守ってやさしい指導してくれる真面目な先輩が沢山いると自分の中に勝手なイメージがあった。
しかし、そのイメージはことごと崩れていった。
年上の人はとても不真面目で打ち合わせの時はただ寝そべっていたり、消灯時間になっても全然寝ない上に携帯電話の持ち込み禁止なので平気で持っていくほど。
そういう姿を見た自分は正直幻滅していった。

そして自分のボーイスカウト生活が最悪な方へ進んでしまった出来事がある。
それはボーイスカウトになって最初の夏キャンプの時のこと。
夜になにか出し物をやることになって班ごとになにをするか決めることになり、自分の班は3匹の子豚の劇をやることになり、自分はなぜか子豚が建てた家の役をやることに。しかも変な踊りをやるという言わばいじられ役だった。
自分は恥ずかしながらもその役をやった。
「これでこの役とはおさらば」と思っていた。
しかしその日の夜、班長が「もう1回家の役やれ」と言われ、自分は嫌々やり、それを見た他の人もやれやれコールが続いた。
正直しんどかった。その日を境にいじめの標的になった。
一緒にいても家の役をやれと言われ続けるので嫌になってテントの外で1人居て、戻ると袋の中に入れた自分の寝袋が出された状態になっていた。
「勝手に寝袋が出たんだ」と班長達が言うが明らかに彼らに仕業と分かった。
何度やってもすぐに寝袋を出された状態にされたので泣きながら戻したのを今も覚えている。

その後もいじめは止まらず、本当に行くのが嫌だった。隊長に班を換えてほしいと交渉するもダメ。親にも辞めたいと言える感じではなかった。
ボーイスカウトに行くのが本当に嫌だった。
1回、ボーイスカウトに行くときに自転車が横転して怪我した時にそれを理由に行けないと言ったほどだ。
また活動に関してもロープの結び方を学んでも物覚えがわかったため、なかなか結べなかったり、ロープが緩んでしまうことが多く、正直楽しくなかった。

こうしたことが3年ほど続き、次のベンチャースカウトに入る前に親に説得してボーイスカウトを辞めたのであった。

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