「こどもホスピスの奇跡」を読んで

SLEをきっかけにnoteを書くことが増え、同じ病気にかかっている人との繋がりもできたわけだが、その繋がった方が読んでいた本、「こどもホスピスの奇跡」が気になり、私も入院中に購入して読ませていただいた。

内容としてはがんや白血病など、難病にかかった子どもたちが病気と闘いながら残りの人生をどう生きていくかというものだった。(私なりの解釈)

私は保育士ということで子どもに関することは気になる方であるからよりこの本のタイトルから興味を持って読み始めたわけだが、健気に病気と闘う子どもの姿はすごくもあり切なくもあり…。

そして中には

「自分がいなくなってママが悲しむのがイヤ」
「私がいなくなったらママが困るでしょ。だから困らせたくない。」

などと両親の心配をする子もいて、それもなんとも切ない気持ちというか、やるせない気持ちになったというか。

一般的に「無性の愛」っていうと親から子へ、という印象があるけど、私は子から親へのものだと思っている。
子どもは何の見返りもなく生きているだけで私たちに幸せと愛をくれる。

保育園で働いてる時、時には勘違いで注意してしまったり、間違えたりすることがあったけれど、それでも子どもたちは「いいよ!」「大丈夫だよ!」と絶対に許してくれるし、そのあともいつも通り「せんせ〜い!」と寄ってきてくれて愛をくれる。これって本当にすごいことだよね。


また、この本には様々な病気たちと戦いながら余生をどう生きていくかということが載っていた。

もうお子さんの病気は治療の仕様がないと言われたり余命を告げられたとして、その後は延命治療をし続ける親が多い中、ある時に「正直に言ってくださって、ありがとうございます。そういうことなら、ここで治療をやめて、この子を家につれて帰ろうと思います」と、助からないなら一緒にいてあげたい、私たちが家で看取ってあげたいと言って家に帰った親子がいたという。

その親子はその子と一緒に全国のレジャー施設やテーマパーク、温泉などの近畿圏内の施設を楽しみ、さらには泊まりがけで東京ディズニーランドにも行ったとのこと。

その後本の登場人物である原はその後外来診療でその子を見ていたが、驚いたことに来院の度にその子の表情が明るくなり、先週はどこに行って何をしたか、今週は誰々と何をするかといった話を夢中でする姿を見て、家族みんなが充実した時間を過ごしているのが伝わってきたという。

その経験から、「こんな残された時間の使い方があるんだ」と原は思い、子どもたちが残された時間を存分に楽しむことができるような施設、ホスピスを建ち上げたという話でもあった。


この本のテーマは「短くとも”深く生きる”」。


自分の子どもがもし難病になって余命を告げられたとしたらどうするか?
子どもの年齢にもよるだろうが、私は正直にそのことを子どもに告げ、その上で残りの人生をどう過ごしたいかを子どもに聞くと思う。
子どもがどう過ごしたいか、その気持ちを1番に大切にしたい。そして子どもが求めた体験や経験を一緒に存分に楽しみきりたいなって。
自分はそう思った。

話は少し変わるが、普段自分は保育をする中で「待つ」ということを大切にしている。

例えば子どもが手を一生懸命伸ばして目の前にある玩具を取ろうとする。それを「どうぞ」と取って渡してあげる保育士や親が見ていると多いのだが、私はあえて待ってみる。

手を伸ばしても届かないなら次はどうすればいいか?と子どもなりに考え、次は身体を乗り出してみる。そうしたら手が届いてようやくその玩具を手に入れることができ、達成感を味わうことができる。

私はその届くようにするためにどうしたらいいかを考えるという行為と、自分でできたという達成感がその子の主体性に繋がると考えているからこそ、「待つ」ということを大切にしている。

また、例えば誕生日を迎えた子どもに対して「何歳になったの?」と質問をしたとする。すると子どもの横にいる親が「3歳だよね」と答える。
親に全く悪気はないし、答えられない年齢だと沈黙が気まずくてすぐに答えるということもあるのだろう。
ただそこで、まだ答えられなくても、時間が少しかかっても「待つ」。

それで結果答えてくれることもあるし答えないこともある。でも結果はどちらでもいい。
その子どもからの発信を「待つ」という行為自体が大切だと考えている。(5〜10秒くらいしても子どもからの発信がなければ大人が答えても良いと思う)

今年自分の子どもが生まれて今3ヶ月であるが、3ヶ月の子でも質問をして待ってみると表情の変化や喃語で答えてくれる。
そうやって自主性が身についていくと私は思っているのだ。

そういう自分の考えと今回読んだ本と通ずる部分がある気がして、自分の保育観を語ってしまった。笑

本を読むと色々考えることができて楽しいね。
こういう繋がりから新しい発見ができてよかったな。


おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?