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新堂冬樹著「枕アイドル」を読んで

アイドルグループ「ショコラ」の
メンバーである未瑠17歳。

アイドルといっても
売れない地下アイドルだ。

華やかな芸能界を夢見る少女は
くすぶっている現状に満足できずに
アイドル、芸能界のタブーである
「枕営業」に活路を見出だしていく。

一方で、そんな未瑠に嫌悪感を露骨に示し
いわゆるアンチとしてネットで誹謗中傷をする
デリヘル嬢の樹里亜。

そんな二人のそれぞれの視点から
交互に物語は進行していく。

未瑠は、大物プロデューサーなどと
枕営業することにより大役を掴み
駆け足で芸能界を登ってゆく。

男を喜ばせるテクニックを磨き
大物をも転がす様は
まさにお下劣そのものだが
悪びれる様子もない。

そんな未瑠を樹里亜が
黙って見ているはずもなく
どうにかして未瑠を蹴落とそうとする。

だが、なんとそこには
衝撃の結末が待っていた。

それぞれの視点で進む物語の途中で
なんとなく、「ん?」と
その衝撃をにおわせる箇所はあるんだけど
まさかの事実が…


アイドルオタクとしては
本当にこんなお下劣なことがあるなんて
思いたくもないし思ってもないが
この物語には、そういう女の武器を使って
のしあがっていくっていう汚れた要素以外にも
考えさせられる内容がある。

それは、ネタバレになっちゃうから
ここでは割愛するけど
お下劣なんだけど、悲しくもあり
さみしくもあり辛くもある
少女の物語なんだと思う。


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