インパクトのある言葉

今日、6年生とマンツーマンで受験勉強をしていた時。

国語の過去問で、よく最後に、100字くらいの記述問題が出るけれど、その推敲を一緒にした。
昨今の私立中学入試問題は、子どもには難しいテーマを平気でぶつけて来る。今日解説した学校は、911同時多発テロ以来のイスラムに対する欧米の偏見を取り上げて、欧米対イスラムという対立構造を、どうやって乗り越えるか、それを子どもに聞いてくるという、「マジか?」と思う内容。
でも、本人、偉くて。
クラス替えで知ってる子が1人もいない状況になった時を引き合いに出して、「最初は絶望したけど、話しかけたら、だんだん友達になれた」「対話が、解決策なのでは」との解答に至る。素晴らしい。
その時、字数制限の関係で、自分の経験談は丸々カット。そしたら、なんだか急に薄っぺらい印象になってしまった。
そこは、表現を工夫して乗り越える指導。その後、今日の勉強の反省を書かせたら、「どうしたら、インパクトのある文章が書けるか」と。
インパクト!その言い方に思わず「若い子は、言うことが違うねぇ」と言って、その自分の言い方が可笑しくて大笑いした。「?」「いや、先生は、"人の心を動かす文章"って思ったからサ」。

インパクト。
すごく、物理的というか、身体性を感じる言葉。
確かに、惹かれるところのある生徒の言葉は、初見の時「ハッ」と息を飲む。
それは、軽く胸を突かれるインパクト、とも言えるわけで……

自分も12歳だった頃は、そういう直截な言い方、リアリティ感じられて好きだったな…

言葉のスピード感、胸を突く感じは、やっぱり生々しい体験の実感から生まれるんじゃないか。
よく、記述問題で本当の体験を書く必要があるのかないのか、議論を見かけるけれど、体重の乗った言葉、インパクトがあって人の心を動かす言葉は、体験からしか出せないんじゃないか。小説家でもない限りは。ましてや小6では。

そんなことを考えた。

この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

32,933件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?