【vol.5】ありがとうを伝えたくて。
2021年。ニューイヤー駅伝、箱根駅伝を最初から最後までこんなにずっと見ていたのは初めてかもしれない。いつもだったら一生懸命走るランナーの姿を見て感動し、とにもかくにも走りたくなって、観戦途中で思わず自らが走りに行くという、至って普通のランナーあるある現象が起こっていた。今年ももちろん‘走りに行きたい’という衝動に駆られたが、走るどころか歩くこともままならない左足をしばらく眺めて、そっと視線をテレビに戻す、の繰り返しだった。
骨折した左足を固定していた期間は約40日。たった4