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香港料理屋での港区論争

#20190118

今日はインターン初出勤日だった。そして初note投稿日にしようと思う。

服装について担当者は「何でもOK常識の範囲内」でと事前にLINEで言っていた。私は素直なものでそのまま受け取り、黒いニットにジーンズのスキニー、チェックのコートを着た。

半同棲状態の彼氏が久しぶりに朝起きて玄関まで見送ってくれた。茨城の畑育ちの私にとって「東京でインターン」なんて肩書きはキラキラしすぎて正直緊張していた。玄関ではちょっと長めに彼に抱きついていた。

チャリで最寄りの駅まで行き、路駐を取られないように駅前のパチンコ屋にチャリを駐める。最寄りからは約1時間で東京に着く。駅のコンビニでインフル予防のマスクと朝ごはんのウィーダーゼリーを買った。

満員電車の中でウィーダーを飲みながら、朝の彼との一言妙にが思い出された。「あれ?ジーンズでいいの?」

一度気になったらとことん気になってしまう。朝の満員電車の中で検索をかけまくった。「インターンジーンズ」「私服OKとは」「オフィスカジュアル」「東京駅ユニクロ」「東京駅ユニクロ開店時間」「東京駅ユニクロ行き方」「東京駅構内マップ」

気づいたらユニクロでパンツを購入しトイレで着替えていた。この事は何だか恥ずかしいから内緒にしようと決めた。秘密レベルは多分レベル2くらいだろう。

オフィスに到着して上司に連絡をした。オフィスの中は思っていたのとはちょっと違くて、シェアオフィス様式だった。本当は窓際の席に座りたかったが初日のため真ん中に木が生えているテーブルに座らされた。

「コート脱ぐ?」と聞かれ、本当は脱ぎたくなかったが失礼にあたるのかもしれないと思い脱いだ。ユニクロで買ったパンツは思ったより履き心地が良くて感動した。ただ、二度と履かないような気もする。

午前中は登録や契約書類などの事務手続きで終わった。この後、上司が他の会社の人とインターン生とのランチを計画してくれていたためオフィスを出た。上司は関西の人だがガツガツ喋るわけでもなく、でも冷徹なわけでもなく話しやすかった。ランチの予定した場所にひとり遅れてきたのだが、待っている間に満席になってしまい近くの香港料理屋に入った。金曜の平日昼なのにさすがオフィス街である。

おそらく関西の上司よりも上の立場であろう上司は物腰柔らかで多くは語らない。だが、口を開くとなんだか注目して聞いてしまう。そんな人だった。もう一人のインターン生は私が通うFラン大学とは天と地の差がある大学の同級生だったため、身構えていたが優しそうな人だった。

香港料理を食べながら、なぜだか東京の区の話になった。インターンの彼が港区に住んでいるとのこと。その事で〜区がどうだとかそんな話になったのだが、正直田舎者のわたしには港区がなんなのか、どこにあるのか。そもそも今自分が香港料理を食べているここが何区なのさえ知らなかった。そのため、ずっと愛想笑いで乗り過ごし、目の前のエビチャーハンをひたすら食べた。

午後からは営業リストを作り営業メールを送るという作業に入った。なんだかちょっと仕事っぽかったが、1時間ほど立った際に上司がいきなり私の作ったリストからひとつを適当に選び電話をかけ始めた。他人事のように眺めていたが、ダイヤルを押した後その電話を私に渡してきた。

企業というのはなぜこんなにも電話に出るのが早いのか。暇なのだろうか。焦る暇もなく受話器からは相手の声が聞こえてきた。とりあえず自分の名前を名乗った。そこからはあまり覚えていないが、口からでまかせを言いまくった気がする。電話を切った後、なぜかワクワクしてきた。結果は後でまた連絡をするという常套句のようなものだった。

そんな感じで初日のインターンはあっという間に終わった。帰りの電車では丁度帰宅ラッシュだったが途中駅で運良く座れた。そこから最寄りまでの記憶はなく、爆睡していた。新しい環境、人と接することは、自覚がなくとも体と心が疲れているものだ。

1日で気づいたことは、上司の口癖が「天才」であることだ。決して感情のこもった天才ではないが、逆にそれがなぜか嬉しい。私が褒められて伸びるタイプであることを上司は知っているのかどうかは不確かであるが、とにかく嬉しいものである。

反省点は営業の電話の際に、相手の担当者の名前を聞き忘れたことである。以後気をつける。

その日は彼の腕の中で一瞬で眠りに落ちた。


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