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夏休みの読書:ちょっと異国へ

今年はコロナの影響で、夏休みなんてあるのかないのかわからないという方多いことと思います。

時間もないし、環境が環境で、どこにも出かけられない状況になっているのではないでしょうか?

1月からはじまったコロナの感染拡大で、国内はまだしも、海外へ出ることがとっても難しくなりましたよね。これから先、いつになったら海外へ出られるようになるのか検討がつかず、悲しい限りです。

小さいころから海外が舞台の物語が好きでした。自分の置かれた環境とは全く違う世界へ行くことができるから。子供の頃は海外旅行は夢のまた夢、お話の中だけの世界だったので、本を読んでいる間だけ、その国の雰囲気を味わうことができで、私にとってはとても大切な時間でした。

さて、今回のコロナで大変な被害を被っているイタリア。残念ながら私はまだ行ったことがなくて、いつか絶対に行きたい国なのです。

そのイタリアに惹かれたのは、実は塩野七生さんの小説。「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」が最初です。

それまで、私にとってイタリアは絵画が通してだけ知っている国でした。ルネッサンスの名画の数々、天才画家たち。

それが一転、イタリアという国がたどってきた歴史に触れさせてくれたのが、塩野さんの小説でした。

塩野さんといえば、今では「ローマ人の物語」で有名で、小説家というよりは歴史家みたいにとらえられていますが、私はその前に出版された歴史小説が好きでした。ただ歴史を再現するのではなく、フィクションに彩られて、本当にワクワク、ドキドキ。そのころは、あまりよくわかっていなかったイタリアの歴史を学べる小説。知的好奇心と、単純に物語の行方を追う楽しさと両方を味わうことができて、すっかり夢中になりました。

そこで、この夏、なかなか外出がままならない今、塩野ワールドでちょっと別世界を味わってみませんか?

お勧めするのは、地中海をめぐる3部作「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」。

キリスト教を背景にした西欧の国々とイスラム教を背景にしたオスマン・トルコとの攻防を描いています。

面白いのは対峙するどちらの側にも魅力的な人物が描かれていて、どちらが善でどちらが悪でもなく、ただただその瞬間の出来事にその人物たちがどんな行動をとるかをはらはらしながら追いかけるような物語です。

「男たちへ」なんていうエッセイも出されている塩野さん、描かれている男性たちがまた魅力的で、ぐんぐん物語に引き込まれます。

今の日本を離れ、時間も場所も越えて、少しの間別世界を味わってみませんか?

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