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コロナ禍における就業型インターンシップを振り返ってみる

この記事は、『アカツキ人事がハートドリブンに書く Advent Calendar 2020』 の 11日目の記事です。 前回はhideさん の、「ミッション・ステートメントを追求したら何故かAKBの円陣にたどり着いた話」でした。

こんにちは。昨年から開始したアカツキの人事メンバーによるアドベントカレンダー、今年もこの季節がやって参りました。昨年は「採用活動の舞台裏」というタイトルで採用担当の想いをテーマに書かせていただきました。

ややエモさ寄りの内容になっていたかと思いますので、今年は実践的なテーマにしようと考え、アカツキが新卒エンジニア学生向けに実施したフルリモートでの就業型インターンシップについて書いていこうと思います。

この記事は主に
・就職活動中やこれから始める学生の方
・インターンシップで学生を受け入れる企業の採用担当の方やメンターの方

に読んでいただきたいと考えています。

ご存知の通り、今年はコロナウイルス感染症の影響により、学生も企業も例年とは異なる状況での対応を迫られました。その中で、アカツキの採用担当として考えていたことや実践したこと、また終えてみての感想を共有することで、この記事を読んでいただいた方の今後に少しでも参考になれば幸いです。

インターンシップの概要

まず初めに、従来行っていた新卒エンジニア学生向けAkatsuki Summer Internshipの概要をお伝えします。

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・学生の夏期休暇に原則:3週間 x 8時間/日にて実施
・就業場所はアカツキオフィス@目黒
・通勤が難しい遠方からの参加者はアカツキが手配するオフィス周辺の
 ホテル/ウィークリーマンションに滞在
・インターン用のカリキュラムがあるわけではなく、運用中のゲーム
 タイトルのプロジェクトに配属、学生1名に対しメンター+チームメンバー
 でのサポート体制
・最終日に成果報告会にてプレゼンテーションを実施

結果を先にお伝えしておくと、今年はフルリモートでの受入にて実施しましたが、就業場所(及び宿泊施設手配)以外は踏襲し、サポート体制をより充実化させるという形をとりました。

インターンシップ企画段階の悩み

サマーインターンシップは学生の夏期休暇期間である7~9月に実施しますが、その企画は実は昨年の12月頃より開始していました。
企画開始当初は、昨年のインターンを振り返り、改善点を洗い出したり、受入できるプロジェクト先とメンターを洗い出し参加人数枠の決定したり。また、学生に周知するためのインターン特設サイトや面談イベントへの参加計画などもこの時点で検討を始めています。
当時を振り返ってみると、まだ見ぬコロナウイルスではなく、東京2020オリンピックにどう対応するかという相談を、他社の採用担当の方にしていた記憶があります。

・都内近郊のホテルを予約できなくなるのではないか
・そうなると遠方在住の学生の参加が難しくなるのではないか
・また、ホテルを予約できたとしても価格が高騰するのではないか
・学事スケジュールにも影響が見込まれるので時期をずらした方が良いか
・受入側のメンバーも不在になる可能性があるのではないか

などなど、不透明な状況の中、各社様子を見ながら準備を進めていました。当時、僕としては期間の幅を広げるという対応を想定して動いていました。つまり、従来の7~9月をベースとしつつ、何かしらの事情で期間中の参加が難しくなった学生は、前後の期間を延長して受入を実施するという方法です。この時点ではフルリモートの手段は選択肢としては考えていたものの、学生にとって実りある期間にできるイメージが持てておらず、出社ベースを想定していました。
しかし、年が明け着々と準備を進めていく中で、2月頃よりコロナウイルスについてのニュースが連日取り上げられる様になり、状況が大きく変わりました。

一番よかったと思える意思決定

3月以降の感染者拡大、そして緊急事態宣言を受け、アカツキメンバーは原則、在宅勤務(緊急事態宣言後、在宅勤務推奨へと変更、現在は同措置を継続中)となりました。4月1日から予定していた新入社員研修も実施直前にオンラインに変更したり、予定されていた採用イベントも軒並み延期/中止/オンラインへの変更とまさに混乱状態にありました。

このような状況において、同じ採用イベントに参加した各社のインターン実施状況の説明を聞いていると「未定」「検討中」とされていることが多く、まさに同じ悩みを抱えられていたと思います(中には、従来よりフルリモートでのインターンを実施されており影響なしといった企業さんもいて、さすがでした)。

僕自身、メンターとなるエンジニアメンバーからもフルリモートで実施した場合の懸念の声は聞いていたので、非常に悩んでいました。一方で企業側の方針が定まらない中、不安になる学生の表情も見ており、明確に方針を出すべきだと強く感じました。そして、4月中頃には「フルリモートで受入すると決めて、出てくる課題はなんとかしよう」と決めました。今振り返ると、この意思決定がとってもよかった。見通しがつかない中での不安はありつつも、多くの企業が「検討中」や「未定」となっている中で、割と早い段階から「フルリモートでやります」と学生に伝えられたことにより、例年であれば他社との比較の中で選考に参加しない学生にも進んでもらうことができたと思います。

実は、この意思決定の裏には影の立役者が2人います。選考が終了し、内定を出していた21年卒の学生です。この2人は、複数社から内定を得ており、インターンを通してアカツキの雰囲気を感じた上で、就職先を決めたいという要望をもらっていました。その途中でコロナウイルスの影響により、延期となっていたのです。
当初は、出社ベースでのインターン実施ができる様になるまで、様子を見ようという形で延期していたのですが、状況は変わらず。一方で各社からの承諾回答期限もあり、このままではインターン実施せずに意思決定をしなければならないという状況になりそうでした。
そこで2名に対して「期待している雰囲気を掴むということは十分にできないかもしれないが、できる限りのサポートはするのでリモートでやってみないか」という打診をし、実施しました。
結果として、(いくつか課題は見つかったものの)本人達の積極的な姿勢やメンターの手厚いサポートもあり、大きなトラブルなく終えることができたのです。この経験を受け、より大人数を同時に受け入れることになるサマーインターンもフルリモートでやってみようという意思決定ができたのです(この2名は両名とも、アカツキへの入社を決めてくれ、来年4月に入社予定という嬉しい結果となりました)。

フルリモートインターンで実施したこと

上記の内定者2名の受入経験も経て、6月下旬に改めてメンター陣とフルリモート受入対策について議論する時間を持ちました。
懸念として大きく上がってきたのはやはり、コミュニケーション面が一番でした。出社であれば、隣の席に座っているので、順調に進めているか、詰まってしまっているか把握できるが、リモートだとそれができない。また、学生側もなかなか相談しにくいのではないか、という懸念です。
また、オフィスに来れないことでアカツキの雰囲気や文化が伝わりづらいということもやはり懸念として上がっていました。

▼議論のメモ

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この議論を受け、下記の取り組みを標準として学生を受け入れることにしました。

・メンターと毎日朝夕に短時間の1on1ミーティングの時間を設け、報連相が
 しやすい体制を作る(Zoomにて実施)
・Zoomの同期的なコミュニケーションとは別に、Slackで参加者のtimes
 チャンネル(自由に呟いて良いチャンネル:離席や作業進捗、困りごと
 や悩み事の独り言など)を設け非同期のコミュニケーションの場を作る
・timesチャンネルにはメンターのみでなく、チームメンバーやインターン
 生同期も入り、多面的にサポート、交流できる様にする
・インターン同期との顔合わせや、配属チーム以外のメンバーとの交流を
 促進するためにリモートでのランチやディナーの実施
・正社員向けの福利厚生である書籍購入補助をインターン制にも適用し、
 成長の促進
・PCや、必要に応じてネットワーク環境を事前郵送する形でサポート

リモート実施決定前は、見えない不安に苛まれていましたが、上記の様に挙げてみると、正直、特別なことは何ひとつやっていないと感じています(笑)
一方で、上記を仕組みとして取り入れればうまくいくのかというと、それはまた違います。
今回15名のインターン生を受入し、概ね満足度の高い感想をもってもらえましたが、その鍵となったのは「インターン生たちの積極的な姿勢」「受入メンバーが、メンバーの一員として受け入れるという姿勢」を強く持ってくれていたからだと思います。timesチャンネルがあったところで、インターン生が助けを求めても誰も反応しなければ、インターン生は不安を感じます。1on1の場が設けられても、スキップされたり形だけ実施している様だと、成長には繋がりません。
そういった意味で、採用担当としては、インターン生と現場メンバーに対して感謝の気持ちでいっぱいでした。

インターン生たちの声

さて、最後に実際にフルリモートの就業型インターンに参加した学生のコメントを紹介したいと思います(最終日の成果報告資料より抜粋)。
▼リモートのメリット/デメリット

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▼インターンで学んだこと

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▼感想

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上記の通り、概ねポジティブな感想をいただけましたが、やはり、当初想定していたコミュニェーション面や会社理解の観点で課題が残っています。

・参画後、打ち解けるのが難しい
・会社の雰囲気がやはり伝わりづらい(人に会えない/オフィス行けない)

この点に関しては、インターン生のみならず、オンラインの状況下で入社する中途社員も抱える課題であり、まだ解が見い出せていません。しかし、上述したように「加入側」と「受入側」の双方の前向きな姿勢があれば、解決できない課題ではないと思います。今後もより良い形を模索していきます。

最後に

今後、間違いなくリモートでのインターンやイベントがより一層磨かれていきます。この変化は、間違いなくチャンスです。

企業の採用担当の方は同じ悩みを抱えるもの同士、是非良い機会を候補者に届けられる様、模索していきましょう!(よろしければ、協働のご相談など是非ご連絡ください)

そして学生のみなさん、大変な状況が続いていますが、是非その場に留まるのではなく、新たな経験を重ね自分の進路を切り開いていっていただければと思います!

おまけ

今回、インターン生の一部の声をご紹介しましたが、下記ブログにインターンレポートが集まっていますので、もしよろしければご覧ください。

また、今回は就業型インターンについて書きましたが、この夏、従来オフラインで実施しているハッカソンイベントもオンラインにて実施しました。
そちらの様子は下記にまとまっていますので、こちらももしよろしければお読みいただけると幸いです。

人事アドベントカレンダー
【 クリスマス限定 】株式会社アカツキの人事広報部に所属するメンバーが、ハートドリブン&思いのままに綴った記事を毎日リレー形式で連載しています。
記事を読んでアカツキが気になった方は、ぜひこちらのHPへ遊びにきてください。▶︎ https://aktsk.jp/recruit/