イライラは成長のサイン
はじめに
おつかれさまです。坪谷です( ^ ^)b
アカツキでは、リーダーや人事の皆さんを人材マネジメントの面から支援しています。よろしくお願いします。
ーー突然ですが、お仕事をしてるとイライラすること、ありませんか?
わたしは、あります(笑)。
できるかぎりやさしく、笑顔で、相談しやすい雰囲気をつくろうと、がんばっているのですが・・・。
「坪谷さんは、たまに、こわいときありますよ」
ガーン。イライラしてるの、バレてる。
「いつも笑顔なぶん、そういうときは、ほんとにこわいです」
しかも、ふだんの努力が逆効果に。
どうやら、イライラを隠そうとして押さえつけても、(わたしは)うまくいっていないようです。うーむ。
ーー皆さんは、このイライラと、どうつきあっていますか?
この記事では、イライラというのは実は「成長にかかせないポジティブなもの」だということを、お伝えしてみたいと思います。
(ケン・ウィルバーのインテグラル理論、ユング心理学、アドラー心理学などを参考にしています)
イライラは、あなたががんばっている証拠
イライラという感情は、なにかを真剣にがんばっている人しか感じません。
「どうでもいい」「まあ、なるようになる」と考えている人はイライラしないのです。
なにかの目的や目標にむけて、一所懸命に努力しているあなただからこそ、あなたをジャマするなにか、もしくはがんばりを否定するなにか、を感じとったときに(無意識であっても)、イライラするわけです。
ーーイライラは、あなたががんばっている証拠。
そう思うと、それだけで少しイライラが楽になるかもしれません。
そして、イライラは、がんばっている証拠であるだけではなく、生きていく上でとても大切なサイン(合図)でもある、ということをお伝えしたいのです。
イライラは、次のステージを示すサイン
イライラは、あなたが次のステージに向けて成長するべき時が近づいてきた、と知らせるサイン(合図)です。どういうことか、詳しく説明しますね。
いま、あなたががんばっている仕事(ステージ)において、できることが増えてきて、思ったように物事がすすんでいる、そんなときにイライラはやってきます。
イライラするのは、あなたが、いまのステージのままでは解決できない問題がチラつくからです。これまで気にもしていなかった、もしくは気になっていたけど無視していた問題が、いよいよあなたに「さあ、どうする?」と迫ってきているのです。
たとえば、あなたが採用担当者だとして、はじめてその仕事についたばかりのときはイライラしていないはずです。そのステージ(仕事)を、できるようになろうと必死にとりくんでいるため、イライラするヒマもないでしょう。
ところが、仕事になれて、うまく採用の仕事をすすめられるようになったとき、イライラがやってきます。そう、めんどくさいことを言ってくる現場の面接官、判断してくれない上司、そしてSNSでは応募者からクレームに近い書きこみが…。
あなたが、だれかにイライラしているとき、その人はあなたの「シャドウ(影)」であると心理学者ユングはいいます。その人の言動は、あなたの「足りない点」を刺激してきます。
ーーイライラしているのは、実はその相手に対してではなく、あなた自身の不足(影)に対してなのです。
つまり、イライラしているということは、あなたが次のステージへと進む必要がある、と「成長をうながすサイン」が点灯している、ということです。
イライラを、成長に変えるふりかえり
イライラが成長のサインであるなら、どうやってその成長への道をすすめばいいのでしょうか。わたしは「ふりかえり」をオススメします。こんな3つの点から、ふりかえってみましょう。
❶いま、達成できていることは?
イライラしたときは、まず落ちついて、今のステージで自分が「できていること」を確認します。できないことだけを見ていくと、どんどん心が弱ってしまって、前にすすむ力が失われていくからです。できていることをしっかり見て、自分にOKをだしましょう。
そして、成長は、できることの上にこそ積み上がっていくのです(経営学者ドラッカーは「強みの上に築け」といっています)。
❷だれの、どんな言動に、イライラしているのか?
イライラしたときの具体的なシーンを思い浮かべて、なぜそんなにイライラしたのかを自分にきいてみましょう(思いだすのもイヤかもしれませんが、がんばって)。
ノートやホワイトボードに書きなぐってみる、仲間と話してみる、など言葉にしてみることが効果的です。
言葉にしてみると、あれ?なんだこれだけか、と思うこともあるでしょう。
そして何回もふりかえっていると、自分がイライラしていることのパターンが見えてくると思います。その先に、あなたが望む、理想の未来(次のステージ)があるのです。
❸あなたは、どんな未来をつくりたいのか?
「どんな未来をつくりたいか」とは、つまり「どう成長したいのか」ということです。
むつかしい問いですね。いますぐにその答えがでなくても大丈夫です。その問いに向きあっているだけで、意識は一歩、前にすすんでいます。
ふりかえりのコツは、イライラをすぐに解消しようとするのではなく、あなたの「成長」を目的とすることです。
イライラは成長のチャンス。あっさりと消してしまってはもったいないのですよ。ぜひそのサインを読み解いてみてください。(わたしは、このイライラから逃げずに向き合い、ふみとどまる力を「葛藤保持力」と呼んでいます)
イライラは、やりきるとウズウズになる
心理学者のアドラーは、悩んでいる人は3つの話しかしない、と言っています。
「悪いあの人」「かわいそうな私」「これからどうするか」。
そのうち「悪いあの人」と「かわいそうな私」の話をしている人は、悩みからでてくることができず、閉じ込められてしまうのだそうです。そう、向き合うべき問いは、
ーーさて、これからどうするか?
わたしのオススメの考え方をご紹介します。それは、いまのステージを「やりきる」ことです。
十分にやりきったときに「ウズウズ」が訪れます。
「もうこのままこのステージにいても、得られるものはないぞ」「次のステージに踏み出さざるを得ない!」そう心が叫びはじめるときがくるのです。
ーーイライラが、ウズウズになったとき。
それが次のステージに飛び出すサインなのです。
おわりに
このイライラとウズウズの考え方は、思想家ケン・ウィルバー『インテグラル理論』における意識の発達段階の構造を、わたしなりに解釈したものです。ご興味があれば原著にあたってみてください。
また、2022年春に出版予定の拙著『図解 組織開発入門』でも上図のように詳しく解説していますので、よろしかったらご参考にしてください。(「宣伝かい!」とイライラされた方、それも成長のサインかもしれませんよ)
わたしがお伝えしたいことは、以上です。ありがとうございました。
この記事は、『アカツキ人事が思いのままに書く Advent Calendar 2021』 の 12日目の記事です。 前回は和田さん の「今日、私たちが提供できるもの」でした。
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